架空本のタイトル46個(あ~ん)と大まかな内容を考えてみた
あ「あるみかんのうえにあるみかん」
新書
駄洒落を知らずに初めてタイトルを見た人は、産地や品種名が分からない”ある”みかんが二つ重ねて置かれていたり、アルミ缶の上にもう一つアルミ缶が置かれているなど様々な画を想像してしまう。このように平仮名、片仮名、漢字が使われていないと言葉は如何様にも解釈できてしまう側面がある。平仮名、片仮名、漢字全てを学ぶ意義について書かれている新書です。
い「色々な実験」
小説
赤=情熱的、白=潔白といったように色が持つ印象を一つだけにした場合私達の生活はどうなるのかということが書かれている短編集です。
う「烏龍茶で二時間粘る方法」
エッセイ
筆者が貧乏だった頃、どのように凌いでいたのかが書かれています。タイトルからも分かるように真似はしない方が良いため、ある意味お薦め出来ないエッセイです。
え「縁側でえんがわを握る」
小説
寿司に人生を捧げた主人公の男と夫を支え続けた奥さんとの日々の暮らしが書かれている小説です。タイトルは言葉遊びではなく、えんがわの由来が縁側から来ていると聞いた主人公が実際に行うことです。
お「お言葉ですが」
小説
「は」と「が」の使い分け、チョムスキーなど言語学に関するトピックをお話の中で自然に学ぶことが出来る小説です。
か「軽井は重い、思いは軽い」
小説
主人公の軽井は、繊細で考えすぎてしまう性格で、周囲の人からは重い人物すなわち仲良くなれない存在として認識されている。そんな軽井は周囲の軽い思いつきで言ったことに繊細ゆえにどんどん影響を受けてしまう。繊細な人間の心の動きが克明に書かれている小説です。
き「軌道上で恋してる」
小説
衛星、恒星、惑星同士が恋する連作短編集です。ボーイ・ミーツ・ガールならぬプラネット・ミーツ・プラネット。「心は冷たいのね、太陽さん」、「環が君を見えづらくする」などが収録されています。
く「詳しくないことに詳しくなる」
新書
話題を知らなくても会話に入っていける会話術を学べる本です。営業職、美容師といった会話が仕事に影響する人達にお薦めの新書です。
け「鶏頭」
小説
鶏は三歩進むと忘れるという迷信から着想を得て、三歩進むまでは忘れない細胞の生成に成功した化学者の主人公。主人公はその細胞を使った注射を頭にすることで、人をデータだけ保管する道具として利用することを思い付きます。化学ホラー小説です。
こ「紅糸」
小説
タイトルがどちらから読んでも紅糸となるのと同じように、最初の章、最後の章どちらから読んでも楽しめる恋愛小説です。
さ「さあ、はじめようか」
新書
世界最高峰のX大学で、絶大な人気を誇るY教授の講義を記録した新書です。「エレベーターに最初に乗って最初に出る方法」、「なぜ人は映画のエンドロールで携帯を見ても良いと思うのか?」などが収録されています。
し「シャッター街の落書き」
小説
小説家の主人公は、流行っている要素を継ぎ接ぎして、世間の需要に応えた小説を書いて欲しいという編集者の言葉に反発していた。ある日主人公は、シャッター街に書かれた大量のメッセージを見つけた。心に留めたメッセージをメモしていく日々を送りながら、編集者の言葉と向き合っていく。作家の苦悩が書かれている小説です。
す「凄い音」
エッセイ
小説家兼音楽ライターの筆者が今までに行ったライブの音の凄さを語っているエッセイです。まるでそのコンサート会場にいるかのような読書体験が出来る描写の凄みが圧巻です。
せ「正解は」
小説
主人公の元になぞなぞが載っているファイルが添付された迷惑メールが届く。なぞなぞの答えを返信すると、また違うクイズを載せたファイルが添付された迷惑メールが届く。
ただの迷惑メールでは無いことが分かっていくというミステリー小説です。
そ「ソファの隙間に」
写真集
ソファの隙間に落ちた物の写真が載っている写真集です。その落ちた物に関するエピソード、落ちた物を発見した時の顔の写真なども載っています。
た「足らぬなら」
小説
段ボールを捨てに行くと、みすぼらし格好の男性に出会った。「その段ボールくれないか。段ボールの断面ってウエハースみたいだろ。鼻をつまんで断面を見ながら食べると、ウエハース食べてる気分になるんだよ。食感は最悪だけど」そんな独特な考え方をする男と出会った主人公が、時々振り回されながら色々なことを学んでいく小説です。因みに帯には、「烏龍茶で二時間粘る方法」の筆者が書いた推薦コメントが載っています。
ち「血に足をつける」
新書
凶悪犯の犯行動機を家庭環境から推察しています。凶悪犯は私達とは別種の人間ではなく、特殊な人間でもないことが分かる新書です。
つ「月ギメ」
小説
人は公の機関に許可された場合どこまでのことをしてしまうのか。月に一回違法薬物を摂取しても罰しないサービスを政府が始めたという設定の小説です。
て「底辺翔高佐悪に」
小説
親に捨てられ自分の名前も知らない自称底辺、翔、高佐はX暴力団の末端構成員でお互い親しくしていた。ある事件がきっかけで、三人は暴力団に追われるようになる。ピカレスク小説が好きな方にお薦めです。
と「飛ばされたべっぴんさん」
小説
芸人のつかみで飛ばされた女性はガチ恋のファンだった。暴走するファンと芸人の距離感について書かれているドタバタコメディ小説です。
な「殴り書きと走り書き」
新書
「手で書いているのになぜ走り書きというのか?」といった普段使っている言葉の疑問を分かり易く解決してくれる新書です。
に「二分四十病」
小説
カップラーメンを三分待てず、電子レンジも鳴った瞬間に開けてしまう少しせっかちな彼女と主人公の恋愛小説です。
ぬ「ぬか床を触らないで」
句集
生活を大事にする著者の温かくもおかしみのある日々から詠まれた自由律俳句をまとめた句集です。
ね「猫、火災報知機、ラリアット」
小説
猫、火災報知器、ラリアットという言葉を折り込んで書く三題噺のような小説です。五人の作家のアンソロジーでSF、ホラーなど作者によって全く違う作品になっています。
の「喉に仏がいます」
小説
主人公は大学卒業後鬱屈とした日々を送っていた。そんなある日、主人公は本屋でたまたま開いた句集「ぬか床を触らないで」の「喉に仏がいますに縋ってきた」という句に衝撃を受ける。言葉の持つ力について書かれた小説です。筆者は「ぬか床を触らないで」を読んで本を書き始めており、作中に筆者自身が体験したことも書かれているようです。
は「鱧と鰯」
小説
大学テニスサークルの飲み会で魚顔という共通点で仲良くなった隆と守。彼らが徐々にお互いの生き方や考え方の違いについて気づいていくという小説です。
ひ「日に当たれ」
新書
過剰な日焼け対策の危険性、日に当たるメリットについて書かれている新書です。「サンバイザーを捨てなさい」、「正しい日焼けクリームの塗り方」などが収録されています。
ふ「服屋に行くための服」
エッセイ
人の目を気にしすぎてしまう筆者がファッションの力を借りて奮闘するエッセイです。タイトルにもなっている「服屋に行くための服」で、著者はXという服屋に行くためにY、Zという服屋を経由しています。
へ「下手な下手投げ」
エッセイ
相撲部屋の女将だった筆者が、相撲部屋で起こった様々な出来事について書いたエッセイです。タイトルにもなっている「下手な下手投げ」は、ハンカチ無しでは読めません。
ほ「ほの字の変」
小説
すぐに人を好きなってしまう男子大学生の主人公は、同じサークルの彼氏持ちの先輩に優しくされ、好きになってしまいます。彼氏がいることで、諦めようとした主人公は彼氏が先輩に暴力を振るい、束縛しているという噂を聞きます。時々情けない姿を見せながら、ひたむきに頑張る主人公が魅力的な小説です。
ま「孫が可愛い理由」
絵本
高校生の主人公は、隣の家のおばあちゃんの話を聞きに行くのが大好きで、その日もおばあちゃんの話を聞いていました。その日の話題は、孫がどうして可愛いのかでした。おばあちゃんの気づきについて書かれた絵本で、大人向けです。
み「みたい」
絵本
主人公のももちゃんは、想像力豊かな女の子で、見た物を○○みたいと例えます。するとももちゃん自身が例えた○○になってしまいます。想像力の素晴らしさを教えてくれる
絵本で、子供も楽しめます。
む「無理矢理に」
小説
恋愛小説しか書かない作家とミステリー小説しか書かない作家か章ごとに代わる代わる小説を書いていくという設定の小説です。主にミステリー小説しか書かない作家の視点から書かれており、無理矢理ミステリーに持って行ったり、恋愛に引き戻されたりする展開が面白い作品です。
め「名誉も」
小説
主人公は時間が無い人の代わりに体験して、感想を伝える代行体験サービスを始めた。自分がしたい欲求を満たせれば良いという考えで世間の批判も気にしていなかった主人公だったが、裏アカウントで自分を擁護し始める。人の欲求について書かれた小説です。
も「もうそこへは」
小説
選択した未来だけを必ず避ける事が出来る能力を得た主人公は、人生勝ち組になれることを確信していました。しかし、選択した未来を避けた後にも困難があって、苦しむことになります。取捨選択の難しさを教えてくれる小説です。
や「闇夜を歩く」
エッセイ
灯りや人も殆ど見当たらない闇夜を歩くからこそ分かったことを筆者が綴っているエッセイです。この本を読むと夜に散歩したくなります。
ゆ「湯快」
エッセイ
二十五年番頭として座り続けた筆者が気づいたことやお客さんとの交流が書かれているエッセイです。「あの子は今日から一人で男湯へ」、「フルーツコーヒー牛乳」などが収録されています。
よ「汚れた身体」
小説
雨に濡れて泥だらけになっても楽しく公園で遊ぶ男の子がいる。自分の身体を好きになれない男性アイドルの主人公はその子を公園で見ることが習慣になっていた。主人公は、その公園で幼少期に義父から受けた性暴力のトラウマを抱えたまま生きている女子大生と出会い、付き合うことになる。身体の悩みについて書かれている作品です。
ら「ラリる」
小説
母校で人生についてのスピーチを頼まれた元スポーツ選手の主人公が、スピーチをする小説です。スピーチがどんどん深い内容になっていきながら、ら行が出てくる回数が減っていくという著者最大の挑戦作です。
り「離島を繫げろ」
小説
観光資源もなく、過疎化が進むX島の役所の観光資源課で働く主人公が、島の活性化に奮闘する小説です。タイトルは、主人公が助言を求めた地方財政を研究している大学教授の台詞からつけられています。
る「ルールなんか無いんだから」
エッセイ
遊びについて無邪気に、真剣に考えてきた筆者のエッセイです。缶蹴りの缶の数を増やす、靴飛ばしで飛距離を稼ぐために靴を改造するなど一工夫加えて遊んで気づいたことが書かれています。
れ「れろれろ」
小説
一緒にいて苦しかったり、むかつくことはあるが、離れられない魅力を持った彼氏と主人公の日常が書かれている小説です。苦しくて、むかつくけど離れられない関係性から主人公は、彼氏のことを口内炎のようなものだと思っています。口内炎で喋りづらくなるところからタイトルがつけられています。
ろ「ロケーションは最高だった」
エッセイ
沖縄旅行にそこまで仲良くない友達と行ってしまった筆者が、その友達にもやもやしたことについて書いたエッセイです。美味しい食べ物の数々、優しい沖縄県民の方々に対する感想と友達へのぼやきが対照的で、新感覚の旅行エッセイ本です。一番お薦めの話は、「三線の音色と風俗に行きたい彼」です。
わ「ワレワレ詐欺」
小説
X星から日本を侵略しに来た宇宙人が、日本に着いた瞬間にX星と連絡が取れなくなってしまいます。調達されるはずだった資金や武器も無く、困り果てた宇宙人が苦闘する日々が書かれている小説です。タイトルは、宇宙人達がオレオレ詐欺を参考にして発案した詐欺の名前です。
を「をを書く前を」
小説
妻に対するDVが原因で離婚した主人公が娘と文通していく中で、自身がした行為を省みるという内容の小説です。タイトルは、娘が「を」を「お」と書き間違えている時期に主人公が離婚した所から来ています。
ん「んみたいなh」
エッセイ
筆者がこれまで会ってきた愛すべき変人達について書かれているエッセイです。タイトルは、友人Aの「字が下手な人って天才タイプが多いらしいよ。だから今日から俺字下手になろうと思って。ほら見てこのんみたいなh。」という台詞からつけられています。
(了)
ここまで読んで頂きありがとうございます。
しっかり書いてみたい作品がいくつかあったので、いつか書いてみます。まさかこの記事が備忘録のような役割を果たすことになるとは考えていませんでした。意外でしたが、嬉しい誤算です。
この記事を書いている時、頭の中に色々な物語が広がっていました。それが凄く楽しかったので、また機会があれば書いてみようかなと思います。
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