人生のプライオリティについて再考する (Rethink about the life priorities)

What's going on?

Google 社長 Sundar からのメールが既にリークされているのと、LinkedIn 上でみんな情報が飛び交っているので、結構大っぴらに書きます。皆さんご存知の通り、Layoff (整理解雇?リストラ?) の嵐が吹き荒れております。2022年中頃から始まったこの流れは、2023年になってついに Google にも影響をもたらしました。2023年1月20日、弊社社長 Sundar から全社員にメールが飛んだことは皆さんもご存知の通りです。まず、US の従業員は一斉に Corp にアクセスが無くなったそうで、サヨナラのメールも送ることができずに解雇されたことを LinkedIn 上で嘆く投稿が山のように見られます。もちろん我々社員は、どうやって Layoff の人選を行ったのかを知る由も無いのですが、社員からは疑問の声が上がっています。LinkedIn 上の投稿を見る限り、全く無作為に選ばれたようにも見えますが、Performance Base で選ばれたと考える人もいるようです。Layoff とは、定義上、Performance は考慮されない整理解雇なので、今回 Layoff の対象になった人を Low Performer だと考えるのは全く的外れです。個人的にそれはどうなの?と思ったのは、双子を妊娠中のお母さんが解雇されたことについてです。また、僕の同僚で、病気で休職中の友人も解雇されました。LinkedIn 上の情報ですが、VP (副社長) の一人も事前通知なく解雇されたそうです。以上のことから、対象となるチームの中から無作為に選ばれたのかなぁという印象です。Twitter でみた conspiracy theory 的な情報では ”Company knows who to cut off since long time ago." だそうですが、実際どうなんでしょうね。日本ではどうなるのかという不安についてですが、現地法との兼ね合いがあるので、APAC では2月以降に発表となるようです。

会社員と自営業の比較

今日時点で僕が解雇されるかはわかりませんが、僕の周りの Google 社員や、US Big Tech に勤める他社の社員たちも似たようなことを考えているようで、「もし自分が Layoff されたらどうしよう」という投稿をよく見ます。最初に社長からのメールを見たときは、「ついに来たか!」と、不安から体調が一気に悪化しました。で、色々考えましたが、悩んでいても仕方ないので、とりあえずポジティブに考えることにしました。自分が Layoff されるかどうかに関わらず、これは自分の人生のプライオリティを再考するいい機会だと。

Pros and Cons

Layoff される側が考えること、これは日本の早期退職優遇制度にも似たような面がありますが、Package 次第というところがあります。つまり、ざっくりいうと「退職金は総額いくらになるのか」ということです。社長からのメールに書いてある Package を自分に当てはめると、いくら入って来るのかを試算できます。僕は小さな子供が二人いるので、この子たちを大学まで出してあげるには二人で少なくとも4000万円以上の現金が必要になります。今書きながら考えているので、とりあえず手を動かしてみます。

Pros 

  1. 一瞬で大金が手に入る(税金がどれくらい引かれるかは不明)

  2. 向こう一年くらいは働かなくていい

  3. 自分が Google の外でやりたかったことに着手できる

  4. 溜まっていた Life Priorities を消化できるチャンス

  5. 子どもたちともっと遊べる

  6. 所得制限に引っかからなくなる

  7. 持病の治療に専念できる(持病については寛解したら詳しく書きますが、脳と自律神経の病気です。)

Cons

  1. 毎月の収入がなくなるので、貯金を切り崩して生活することになる

  2. お金や貯金のない精神的な苦痛が襲ってくる

  3. 転職したとしても、日本企業で今の年収を維持するのはほぼ不可能

  4. 自営業になれば安定した収入はない

  5. 社会保険、会社が入ってくれている各種保険(生命保険、入院保険、事故保険、長期傷病保険、入院保険、旅行保険)、企業型確定拠出年金がなくなるので、国保、各種保険、IDECOに加入して自己負担が激増する。

  6. 子どもたちを大学まで育てられるか不明(妻の収入で生きていく?子どもたちには奨学金を借りてもらう?)

  7. ワインなど贅沢品は買えなくなる(まさに Twitter Meme のあれ)

  8. 保険適用外の高額な民間療法に通えなくなる

  9. 社会的信用と肩書を失う(まぁこれはどうでもいい。ローンが組めなくなるのと、スナックでイキれなくなるだけ。)

肝心の退職金なんですが、僕の試算によると大した額にはならなそうです。しかも税金が引かれたらと思うとゾッとするレベルです。ちょっとノートに三年後までの試算をしてみたんですが、まあ三年くらいなら貯金と株を切り崩して生活はできそうです。でも、貯金があるとないとでは、精神的なゆとりが全く違います。貧乏時代は毎日お金のことを心配して精神をすり減らし、じっと手をみていたわけですから、今はずっと楽になりました。

以上のことから、主にお金と精神の面では、会社員を続けたほうが良さそうだということがわかりました。しかし、Pros に書いた、Life Priorities にフォーカスできるというのは魅力です。今僕のプライオリティは間違いなく子どもたちですが、いずれは子離れ親離れして、自分の人生を生きるわけですから、僕もその覚悟で、今から自分のプライオリティも同時に優先していきたいのです。できれば子どもたちと一緒に。

人生のプライオリティについて再考する (Rethink about the life priorities)

僕の人生のプライオリティはなにか

ずっと考えていたことがいくつかありますので羅列していきます。

  1. アフリカに雨を降らせ、真のイノベーションと平等を達成する。

  2. 日本人の、特に子どもたちのいじめ、不登校、自殺などの問題解決をしたい。

  3. 大きな家に住みたい。

  4. 死ぬときに、人生に満足して死にたい。

1 と 2 はライフワークというか、これができたらいいなとずっと考えていたことで、3 と 4 は自己実現欲求です。で、3 は、Google にいればいずれは達成できるのではないかと思っています。具体的には、貯金を貯めて、高知に大きな家を建てます(僕は高知人と京都人のハーフです)。4 については、かねてから行きたかった大学院と東大 EMP をクリアして、学業側面での満足を得たい。

でまず 1 についてなんですが、これ自画自賛、SDGs の目標の一つなんですが、僕これ20年前から言ってるんです。アフリカに雨が降れば、世界は変わります。数年前にスペインの発明家か誰かが、空気を水に変換する機械を作ったニュースを見て、あ、これなら問題解決できるかも?と興奮したのは記憶にあたらしいです。また同時に、自分が MBA を取得して、Google でコンサル兼アナリストとして働くにつれて、自分がいかに理科について無知かも痛感しました。正直、僕の理科の知識ではアフリカに雨を降らせることはできないでしょう。時が経つにつれて、僕の情熱は薄れていきました。まだ志は持っていますが。

次に 2 についてです。「子どもたちのいじめ、不登校、自殺」これは僕が新卒で学習塾に就職した最大の理由です。僕は自分が ADHD でかなりいじめられたこともあって、どうにかこの問題を解きたいと思っているのです。学習塾では、志を同じくする同期にも出会えました。彼女は今岡山で起業して実際に不登校の子どもたちを支えています。

「学習支援」というアングルから考えていると、僕は「高校生 / 大学生向けの、外資系企業就職を目的とした高等教育」や「社会人向けの英語教育」ができることにも気づきました。ただ、できる事とやりたい事は別ですよね。今回はやりたい事の方にフォーカスしていきます。

「子どもたちのいじめ、不登校、自殺」はいうなれば社会福祉です。実は最近、仕事を通じて、兵庫県立大学の竹内先生(いじめ研究の第一人者)と、Stop It Japan (現 スタンドバイ株式会社)代表の谷山さんとお話することができました。彼らの志には共感しますし、一緒になにかできたらいいなと強く思っています(Google を通してか通さずかはわかりません)。

時間を無駄にしたくない、が…

今年から個人事業主(屋号 小倉堂)になりました。もし Layoff されたら個人事業の方に専念する方法もあります。個人事業でなんとか生活して、子どもたちが大きくなるまで働くというのもあり得るでしょう。ではその個人事業とはなんでしょうか。恐らく前述の「高校生 / 大学生向けの、外資系企業就職を目的とした高等教育」や「社会人向けの英語教育」になるのではないでしょうか。しかしこれは「できる事」であって、「やりたい事」ではないですよね(まぁ全然やりたくないというわけではないですが)。なので、「できる事」に時間を割くのはちょっと無駄かなと感じているのです。だったらストレートにやりたい事の方をやったほうが効率が良い気がします。とは言え、生活費はかかる。やはり「できる事」をやりつつ、「やりたい事」を実現する方法を模索していかないといけないのが現状でしょう。もっと言うと、もし Layoff されなかったら、Google で働きつつ、「やりたい事」を同時にやるのが一番効率がいいでしょう。そうなると持病の治療が最優先になりますね。

2023/01/23 時点での結論

Layoff されなかった場合

  1. 会社員は続ける。少なくとも、持病が寛解するまでは続ける。

  2. 起業したとはいえ、上記の「できる事」をやる時間はないのでやらない。

  3. 上記「やりたい事」を達成できる方法を今よりも Proactive に模索していく。もしくは Google.org を通じてできる事を探す。

  4. 貯金を貯めて、大きな家を建てる。

  5. 持病が良くなり次第、大学院に行く。

Layoff された場合

  1. 持病の治療に専念する。

  2. リモートでできる仕事を探す(持病のせいであまり外出できないので)。

  3. 仕事が見つからない可能性も考えて、小倉堂に専念して、「できる事」をやって、生活維持程度(貯金はできない)の収入を目指す。

  4. デイトレでバリバリにレバレッジかけて稼ぐ。

  5. 「やりたい事」をやるための研究(竹内先生と再度会う必要あり)と小倉堂を法人化して「やりたい事」をマネタイズする。

終わりに

上記、僕の人生のプライオリティの 5、「死ぬときに、人生に満足して死にたい」は至上命題です。仮に僕が「やりたい事」を達成できたとして、死に際に満足できるかは現時点で不明です。これはいわゆる「幸せの定義」というやつで、もっとシニアな人々に話を聞いて、マインドセットを設定していく必要があります。直接的な「死」についてはあまり怖くなくて、それは母が言っていた、「それは順番だから」という言葉が響いています。それよりも今は、「何も成し遂げずに死ぬこと」が怖いと思っています。これは性格的なところが大きいと思っていますが、厚切りジェイソンの弁によると、「次から次に何かが欲しくなる人はいつまで経っても満足しないし、幸せになれない」だそうです。僕はまさにこのタイプなので、いつか「今あるもので幸せ」を達成できるようになりたいと思っています。もちろん、今家族がいて、普通に生活できていて幸せですが、まだまだ人生やりたいないというのが本音です。さぁ、今回の Layoff ラッシュ、一体どうなるのでしょう。上記書き出すことで色々明確になったので、恐れずに続報を待ちましょう。恐れることはない、やることはたくさんあるのだから。


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