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【企画案】本の解説アンソロジー

まえがき

 書籍、とりわけ文庫本には大抵解説というテキストが本文のあとに収録されている。

 解説は様々な人が書いている。大体は(あらゆるジャンルの)作家だけど、評論家だったり漫画家だったり音楽家だったりする。
 最近読んだ本では、歌集の解説をある漫画家が書いていた。画風と同じ硬質で透明感のある文章で引き込まれたのを記憶している。

 本題に戻る。

 解説と言うからには、本文の内容に対する補足や説明、付記であるのが相場だと思うけれども、どうも内容は決まっているわけではないらしい。
 そもそも解説というのはその本に携わる出版社、編集者、あるいは作者本人が執筆を依頼するようなので、その際にある程度何を書くかは指定されるのだろうが、それでも多岐に渡るように思う。

 完全に自分の話をしているものもあれば、まったく関係ないとこらから急に本文に触れてきたり、ときには作者とのエピソードが挟まれることもある。そこで描かれるやり取りはやはり愉快なものが多くて、面白いという表現が相応しいか自信はないが、文章を書く人というのはそもそも面白い人が多いのだと思う。

 ならば、解説そのものも既にひとつの文芸、文学ではないかと考えた。

 さらにそこに面白みや主体性を付け加えるために、本文に対する解説という主従関係を破壊して、存在しない作者の実在しない本に解説をつける、つまり解説そのものを主とするのはどうだろうか。
 重ねてここに混乱を引き起こすために、複数人でこの執筆を行う。実在しない本を積み重ねるという儀式めいた妖しさと虚構と頓珍漢さが、解説文学をさらに愉快にするだろう。

ルール

 参加者はまず実在しない本、実在しない作者を設定し、本のあらすじを作る。これらはアンソロジー読者への前提知識、ならびに解説執筆のための資料として用いる。

 文字数は一般的な解説と同等とする。本の内容、出版社によってばらつきがあるため要調査。文庫本換算でおおよそ四ページ程度と予想する。

 内容は自由。これが自分の書ける最高の解説である、と胸を張って提示できる文章を書くこと。

以上


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