海外でパティシエとして働くには

パティシエは、小学生のなりたい職業ランキングトップ10にも連続でランクインする人気の職業。最近では、ご年配の方にも認知されるほどです。

今日本であふれている洋菓子は海外生まれです。例えば誰もが食べたことがあるはずのシュークリームはフランス生まれ。ちなみにフランスではシューはキャベツという意味で、外側のシュー皮がキャベツに似ていることから名付けられたのだとか。
せっかくパティシエになるなら「本場で働いてみたい」と海外を目指す人も多いのではないでしょうか。

未経験、製菓学校を卒業してない場合海外就職は難しい!

パティシエは職人仕事なので、仕事がていねいで勤勉な日本人パティシエは重宝されます。
そんな日本人のパティシエさんを求めている企業は、実はたくさんいらっしゃるのです。

しかし、日本の求人に比べ、海外は特に経験、即戦力が重視された求人が多くみられます。
そのため、日本で製菓学校や経験を積んでからいくのが現実的といえるでしょう。


ここからは、フランスでパティシエ留学を経験し、現在オーストラリア・メルボルンで働く私が、海外でパティシエになる方法を教えます。
具体的な方法は以下の3つがあります。

1.専門学校の海外提携校の研修制度を利用する


お菓子の知識や技術が本格的に学べる製菓専門学校のなかには、カリキュラムに海外研修が組み込まれていたり、海外の製菓学校と提携を組んでいたりする学校が多くあります。
研修は希望者が参加できるような仕組みになっていることが多く、数週間の海外研修から、1〜2年ほどの提携校への長期留学カリキュラムもあります。

学校と提携校、研修先とすでに繋がりや信頼関係があるからこそ、この制度を利用することが、海外で働く経験ができる一番の近道といえるでしょう。
実際に現地のお店で働いてみることで、感じられる文化や労働環境の違い、語学力の壁など、見えてくる課題もあるでしょう。

しかし、研修中に特別なコネクションができるなどの場合を除き、短期、長期の海外研修に参加したからといって、簡単に海外就職できるわけではありません。

そのため、「海外で働くことに憧れている」「一度でいいから経験してみたい」という方に、最適な方法だと思います。


2.海外の製菓専門学校に留学し現地就職する


異業種から転職してパティシエを目指している方や、個人でお菓子教室を開きたいと考えている方が、製菓専門学校へ留学することもあります。

現に数ある製菓学校のなかでも、有名な製菓学校コルドンブルーは、本場フランスをはじめ、日本、アメリカ、オーストラリアなどに学校があり、世界で通用するお菓子の基礎を学ぶことができます。

学校を卒業後、実際のお店で働く、インターンシップ制度があるところが多く、その制度を利用して現地で働くことも可能です。

ただし、各国の法律や制度によっても異なりますが、あくまでも研修なので、お給料が発生しない、もしくはお小遣い程度ということがほとんどです。

しかし、私が住んでいるオーストラリアでは、ホスピタリティー業に属するパティシエは、有料インターンシップが多く存在します。また条件を満たした製菓学校の2年以上のコースを卒業すると、その後卒業生ビザといわれるビザが1〜2年間取得でき、その期間はフルタイムとして働けます。

基本的には短期間で修行をし、日本に帰ってその経験を活かすという人がほとんどですが、なかにはそのまま就労ビザを取得したり、留学先で現地の人と結婚を期に海外就職したりする人もいます。

海外の製菓学校へ留学する場合は、お菓子の技術を学ぶだけでなく、語学の習得にもつながります。
しかし、パティシエ留学には学費に加え、渡航費、生活費など、1年で300〜400万円ほど高額な費用がかかることを心に留めておきましょう。


3.ワーキングホリデービザを利用して現地就職する

海外就職で最も大きな壁は、就労ビザです。
その大きな壁に希望の光を与えてくれるのが、ワーキングホリデー(ワーホリ)ビザという就労可能なビザ。

海外で働いてみたい、暮らしてみたいと考える方なら、聞いたことがあるかもしれません。
ワーホリビザとは18歳から30歳まで(国によっては25歳)の協定締結国の国民に対し、観光、就学、就労ができる特別なビザです。
現在日本との協定を結んでいる国は26カ国もあります。

ワーホリビザをはじめとする就労可能なビザさえあれば、あとは日本と同じように現地で就職活動をするだけです。

また語学力に関しては、あまり高いレベルは求められず、日常会話、職場でのコミュニケーションが取れれば、渡航してから勉強しても間に合うでしょう。

他の条件とワーホリの一番の違いは、学校などを経由せずに(就職できれば)すぐにパティシエとして働けることです。条件を満たしている方にとっては、最短最速の方法です。

まとめ


ここまで海外でパティシエとして働く方法を具体的にご紹介しました。

まずは、ご自身がどこの国で、どのくらいの期間で働きたいか、などを具体化し、上記の方法を参考に計画してみてくださいね。

海外で、パティシエとして働くあなたを、取材・インタビューできる日を楽しみに、応援しています。



この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?