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マザコン・クエスト 【その1】 似たもの親子のこじれた絆


嫌な予感


夫が、帰宅するなり「これ買っちゃった!」と、頼んでもいない本を私と息子たちに1冊ずつ配った。え?小説?誰?

続いて食後にチョコパイとカップアイスを2つずつ食べながら、スマホでずっとギターショップのサイトを見ている。

本→買う。
甘いもの→むさぼる。
エレキギター→欲する。

3つ同時にキター!
スマホを睨む目に鬼気迫る。
夫、どこからどう見てもストレス値↑MAX↑

(エレキギターをポチッとするのだけは、もうヤメてぇ!)



母vs息子

今回も夫は、会社で定められた週2回の出社の際に、職場に近い実家に一泊させてもらった。

そして来月から外資系の会社に転職することを、両親に打ち明けたのだ。

親から何を言われるか大体予想できるので、気が重かったようだが、今度の会社は入社手続きの書類に身元保証人のサインが必要なので仕方がなかった。

いい顔をされないと予測したのは、一つには日本では知名度の低い外資系だから、親は評価しないだろうこと。

そして、3年前にお金のことで迷惑を掛けて以来、お義母さんと夫の折り合いが悪いから。

お金の件については、義父の方は、自分が若い頃に息子に厳し過ぎた事を悔いて態度が軟化している。

しかし義母は事あるごとに「私はちゃんと育てたのに。あなたが勝手に身を持ち崩した。」と怒りが収まらない様子。

その事では夫は以前、「彼らが俺にしたことに比べたら、それくらいの金*、何でもないよ! 」と気色ばんで言い放った。

*エレキギターと周辺機材に¥◯百万のカードローンが発覚、親が弁済。

そのとき私は心底驚いたのだったが、他人の苦しみは計り知れないものだから黙ってしまった。

もちろん息子がそんな風に思っているとは、親は知らない。

つづく

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