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壊れてもまだ失いたくない


何度も抜けてゆく空気が心に残っている。
ひとつ。ふたつ。またねと声をかけてるように。
言葉は消費して。最初から丁寧なものだと思わないで。笑わないで。さらわないで。
このままがいいなんて、初めから嘘だって。小声の君が逃げてゆくみたいに、ステップを踏んで揶揄っている。
ちょうどいい。猫の寝息。すーっと転がるショッピングカート。ごちゃごちゃと転がるショッピングカート。意味もなく反復する怠惰な身体。
いつかはいらなくなる初夏を迎える心。

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