最後の下校【卒業】
「いやー。卒業式終わったねー。
明日からはもうJKじゃなくなるのか〜。
寂しいー……嫌だなー……。」
「意外と3年間、あっという間だったねー。
入学した頃は、
こんなとこさっさと卒業してやる!!
って思ってたのに。」
「あー。あんたなんかずっとそんなこと言ってたよね。学校嫌い!とか、入るところ間違えた!
とか。」
「そう。だって最悪だったでしょ。
校則は変に厳しかったし、先生はすぐ怒る人ばっかだったし、学校のまわりなんにもなかったし。」
「確かに理不尽な先生多かったね。」
「街灯も少ないから夜は真っ暗になるし、家からも遠かったし。朝起きるの超辛かったもん。」
「うん。」
「部室は狭くて嫌だったし、クーラーは無かったし、後輩は生意気だったし。」
「まぁね。」
「イベント事とかも、超しょぼかったでしょ?」
「……」
「卒業証書もらったさっきも全然なんとも思わなかった。アルバムとか持って帰っても絶対見返したりしないと思うわー。もう二度とここに来ることないんでしょー?この道を歩いて帰ることももう無くなるし。最高じゃん。はーあ。大嫌いな学校とさよならできて嬉しいわー。」
「……あんたさ、もうそんなに泣くのやめなよ。
楽しかったんでしょ?」
「……ごめん。
……めちゃくちゃ……楽しかった。
今度一緒に、また学校遊びに行こう……?」
「最初から素直にそれを言いなよ。
いつでも連絡して。」
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