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人物写真家は役者とどこか似ている

Photographer 河野英喜

プロアマ問わず人物写真家は役者に似ている気がします。役者の格言に「稽古は自分を裏切らない」という言葉があるそうです。

写真家もただ撮影回数を重ねるだけではなかなか上達しませんが、徹底的にイメージに対して細かな所まで突き詰めながら撮影を重ね、撮影の度に検証しながら現場を積み重ねれば必ず上達するのです。

TRY&ERRORを重ねた結果、自分自身の表現手法や技術的なオリジナリティを見出せばそれは武器となり、あなたが撮影するべき大きな意味や意義になるでしょう。これはきっと役者も同じで稽古や修練を重ねて会得した表現力はその役者でなければならない絶対的な理由になるのだと思います。このオリジナリティーは「財産」ですね。

こうして技を磨き経験を積むことで少しずつ撮影の舞台も大きなものになっていくものです。例えば最初は今ある場所・今ある光で撮影していたものが、そのうちイメージに合わせてモデルと場所を用意して、更に表現力を高めるために専門スタッフの協力を得て、光も必要に応じてストロボやHMI・LEDなど様々な光質の光源を加えてイメージに近づけるなど発展していくのです。この流れは役者の舞台も同じ様に感じます。しかしこの辺りにさしかかると、初心を忘れがちになる写真家も出てくるところが「人間」の面白いところです。それまで磨いてきた「財産」を消耗させながらこなす写真家、実直に技を磨き、シャッターを切りながら新しい発見を探し続ける写真家へと分かれはじめるのです。もちろんメンタルや撮影時の所作、現場の進行においても様々な違いが生じ始めます。写真家の舞台である現場ではモデルや関係スタッフに制作ストーリーや撮影しているその姿を観られ、収めた写真作品を観覧者が鑑賞します。

その物言わぬ作品には写真家の人柄や価値観、センス、過去の経験、写真への向き合う姿勢、表現力、対峙するモデルに対する感情や興味、そして写真家のメンタル的要素やヘルスコンディションに至るまで内包されるのです。それを観覧者は鑑賞しながら無意識に嗅ぎ分け、内包された見えないストーリーまで感じ観て、支持(応援)する・しないを決めていのだと思います。

このくだりも役者にほぼ当てはまるのではないでしょうか。

強いスポットを浴びながら様々な理由で短く散る役者や写真家を過去数多く見送った気がします。それも潔くて良いと思いますが、僕はせっかく出会えたカメラと写真ですからいつまでも実直にシャッターを切りながら新しい出会いや刺激を大切に楽しんでいきたいと思います。そしてカメラを手にするみなさんにも生業である無しに関わらず、秘めた思いや新たな興味を被写体に、僕達同様いつまでも写真を楽しんでいただきたいと思います。


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