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なんにもしないこと

休職・退職してからというもの、友達と遊びに行くとか旅行をするとかいった予定はほっとんどなく基本はずっと家にいます。ぼーっとしていると時間を無駄にしている気分になって何かしなきゃ、と焦っていました。ですが、だいたいいつも「何もせんでええよぅ~」と言われます。目的をもって何かをしていないと落ち着かない、そんな性格なので常に何かすることを探しています。レポート書かなきゃ、バイト行かなきゃ、卒論書かなきゃ、オーダー品作らなきゃ、、、とにかく○○しなきゃ、という気持ちで毎日を引っ張って生きてきたように思います。

次の仕事へ向けてスキルを身につけようと思ってからは、パソコン等を買うために貯金をしようと思って勉強するまでしばらく期間を設けようと思っていました。そんなある日、自分が本当に何もしていないことに気付いて、誰かが一生懸命に働いている間わたしはぼーっと何もしていないなんてもったいなすぎる!と思い、教養を深めたいなぁという知識欲から独学でも取得できそうな資格の勉強をすることにしました。

自分が目指しているのはWeb業界、IT系の知識が必要だと思い本屋さんへ出向いて良さげな資格を探すことにしました。すると、やたらと「ITパスポート」という資格を推しているコーナーがありました。何じゃそりゃと思って検索すると「IT系の知識の基礎があることを証明できる国家資格」と出てきました。「これや!」と思って本屋さんで参考書を買い、勉強を始めました。

勉強は好きなので毎日楽しく学んでいました。参考書を自分流にノートにまとめ、過去問の演習や知らない用語の意味調べなどをして約1か月間、なんと合計194時間勉強しました。最初は教養がつけばいいなぁ程度の気持ちで始めたのですが、ある程度知識が付くと「高得点を取りたい!」に目標が変わり自分で自分を追い込み始めました。試験日が近づくとその気持ちが焦りへと変わり、毎日「受からなかったらどうしよう」と思いながら勉強していました。少し追い込みすぎたようで2日前には一睡もできなかったり、前日の朝は涙が止まらなかったりして正直やりすぎたと思いましたがその時初めて「何もしなくていい日を過ごしたい」と思いました。そんなことを思った自分にびっくりして、ついに自分を休ませてあげられる日がくるんだ、と思いました。(試験は勉強の甲斐あって無事合格しました!)

試験の翌日から、本当に何もしないだらだらした日を過ごしました。昼に起きて作ってもらったご飯を食べてゴロゴロするだけの生活。大好きだったゲームもあまりせず、ぼーっとしていました。そんな生活も2週間ほどすると飽きました。やっぱり自分は何かやってないとあかんねんな、そんな風に思いました。何もしなくていい日を過ごしていると、思考が始まります。やることがないのでずっと考え事をします。そういや、何もしなくていい日なんて今までなかったんやなぁと。幼稚園児の頃は独自の遊びを開発するのに勤しみ、小学生の頃は習い事と宿題に追われ、中学生の頃は部活と勉強に追われ、高校生の頃はいったんぐれてみたもののやっぱり勉強に追われ、大学生の頃は課題やバイトに追われ、社会人になったら毎日仕事に追われ、いつどの時期をとっても毎日「目的をもって何かをする」ということをやっていたんだなぁとなんとなく思いました。

何もしないって、生産性がなくて無駄なことだとばかり思ってきました。でも、何もしないことで得られたことはいろいろありました。まずは、頭がしっかり休まったこと、休まったことによってやりたいことが生まれたこと、そしてまた目的をもって何かをする生活に戻るということ。たまには何にもしないってことが大事なんやなぁと、四半世紀以上生きてきて初めて知りました。パートナー忙しそうやしご飯つくっとこ、メルカリでいらんもんいっぱい売ろ、次の勉強に向けて参考書集めよ、、、やっぱりこの方が自分に合っているのかなぁと。思ったり思わなかったり。

最近はどっちかというと何もしない日が多くなってきました。そこで自分に課した早起き朝ご飯計画。起きるだけで目的が達成されるので結局起きてからはまた何もしないのですが、やっぱり何かしたい病のわたしはこうやって文字を並べるということを始めました。

何か文章を書きたいという思いはあるものの文章もうまくなけりゃ何を書いたらいいのか分からないので思いついたことを思いついた日に書いています。文章で誰かに何かが届いたらいいなぁと思ったり。いつか文章を書くことを依頼されてみたなぁと思ったり。たくさん書いて上手になっていけたらいいなぁなんて甘ちょろいこと考えたり。そんな毎日を過ごしています。

結局のところ、わたしは最近は何もしないと何かするを繰り返して生きています。そんな感じでゆるっとしていたらいいんだなぁ。自分を大事に、ゆるっとのんびりと、ある時はせかせかと。


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