果てしない旅

よく人生は旅にたとえられます。
人生に何らかの答えを求め
やがて得られるものと
心のどこかで信じています。
けれどサティシュ・クマールさんは
「信じることは心を閉ざすこと」と
仰せになるのです。
スピリチュアリティとは信心ではなく
愛に関わっている。
スピリチュアルに生きる人は
真実や覚醒を求めて歩く旅人であり
しかも「答え」を見つけることはない。
あくまで過程であり
終わりなき探検であり
それは科学にも言えることだ、と。
だとすれば、
真理を探求する人生とは愛に生きることであり
目的地や答えのない巡礼の旅となるのです。
すべてが過程でしかないと思えば
かえって気持ちが楽になりませんか。
肉体の死でさえも過程に過ぎず
大きなパラダイムシフトを体験した先に
さらに旅は続くのです。
あなたも
わたしも
果てしない物語を生きる旅人。
そう思ったとき
切ないほどの慈しみが沸き起こります。




写真：魚住心

参考文献：『エレガント・シンプリシティ』サティシュ・クマール