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「独服」に見る利休さまの教え

茶の湯には「独服」というものがあります。
自分のために茶を点てて
それをいただくのです。
一人稽古のように見えますが
自分をもてなしているのです。
幕末の井伊直弼大老といえば
すっかり悪者にされてしまいましたが
稀代の茶人でもあり
利休さまの教えた茶の湯の道を
忠実に再現した功績がありました。
「独服」は利休さまが
最も重んじたもののひとつ。
「自分をもてなすことの出来ない者が
なぜ人をもてなすことができようか」
利休さまの声が聞こえてくるようです。
やさしくなれない時
寂しさを感じる時
心を閉ざそうとする時
自分へのやさしさと思いやりとが足りないのです。
自分に対する「礼」を失えば
どんなに表層を取り繕っても
無礼な人になってしまいかねません。
自分をもてなすことは
それほど大切なことなのです。

写真:魚住心

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