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31-3 梅すだれ 御船/木花薫

矢形川は岸にいた舟で渡った。毎日誰かしらタケの豆腐を買いに来るものだから、そのために舟がいるとも言える。船頭には豆腐を買いに来たことは明らかで、甘木側の岸へ着くと訊かれもしないのに、矢形川から枝分かれした川に沿って八町歩いたところだと教えてもらった。二人は礼を言い船賃を払って降りた。

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