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マガジン:占星学についての備忘

“ もろもろの天は神の栄光をあらわし
大空はみ手のわざをしめす。

この日は かの日に言葉をつたえ
この夜は かの夜に知識をつげる。

話すことも、語ることもなく、声も聞えないのに、
その響きは全世界にあまねき
その言葉は地のはてにまで及ぶ。”
      ――― 詩篇19:1-4

BGM:バッハ BWV76 「Die Himmel erzählen die Ehre Gottes(もろもろの天は神の栄光を語り)」より

マガジン:占星学についての備忘


 「占星学なんてしょせんスピリチュアルのエンターテインメント」だと思っていますが、しかしひょっとして、今後、また不本意ながら時間をわざわざ割いてまで調べてみたいと思ってしまうかもしれません。
そのための備忘。


あくまで、仮に、占星学には意味があり実際的な価値があるとした場合の妄想、また、実際に勉強してみようかなとなった時の方針の妄想の話。


このところ占星術についてのnoteが続きましたが、今回でいったんは終了



鑑定の根本的な目的

 もし、本当に、ホロスコープに人間性や人生に関するものが示されていて、鑑定に意義があるのなら、その鑑定の根本的な目的は何なのでしょうか?


 それは建設的なアドバイス、励ましであると考えたいです。

「ホロスコープではこういった傾向や能力が示されているので、常に善用するように、機会を生かすように、課題となるものを乗り越えるように、注意すべきことを認識するように」とアドバイスし励ますことです。

 「あなたの星の配置は素晴らしいです!富貴・良縁・健康の全てを享受する運命です。おめでとう!運が良かったですね」や「良くないホロスコープです。不運な星のもとに生まれました。残念でした」というものではなくて、欠点や困難に対処し、能力や機会を活かし、最善となるようアドバイスして励ますことです。

たとえホロスコープに意味があったとしても、このような目的意識が無いと、鑑定の意義が失われそうです。


西洋占星術とインド占星術。細かくは見ない

 もし学ぶのなら、西洋占星術とインド占星術(ジョーティッシュ、ヴェーダ占星術)を両方参考にするでしょう。

インド占星術では、西洋占星術の春分点を牡羊座0度に固定する方式とは 違った方式が採用されているのも興味深いです。

関連note:>>【スピ雑談】天体重視の占星術ってどうかな?という話。ホロスコープの鑑定 >> ・実は星座が違います、、、

天体の影響力の強弱を調べるインド占星術独自の技法も、興味深いです。

インド占星術は西洋占星術と比べるとかなり独特な鑑定技法があって、とても細かく複雑な印象があります。
真面目に勉強しようとすると大変そう、、、。


もし学ぶのなら、とりあえず細かくなりすぎないで大雑把な把握の方向だけにしたいんだけどなぁ。


惑星(天体)占星術

 サイン(黄道十二宮星座)、ハウス(十二室)、太陽星座、月星座よりも、天体それ自体を重視することはできないかと考察してみたいです。

関連note:>> 【鑑定の基本】ホロスコープ ―― 上昇宮(アセンダント)、太陽星座、月星座


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 天体それ自体を重視して、個人に最も影響力の強い「主星」のようなものを探る。もしくは、特に影響力の強い天体を、1~3くらい探る。
その天体を重視して解釈の中心にすることになるでしょう。

あとはアスペクトを気にして、サイン、ハウスなどは参考にする程度でしょう。

惑星の品位/格式(高揚、減衰、、、など)やヨーガ(天体の配置のコンビネーション)の考え方についても多少は考察することになるかもしれません。


・4つの感受点

 占星学では、4つの重要な「感受点」があるとされます。

・アセンダント(東の地平線、ASC/AC)

南中点(ミディアムコエリ/MC

・ディセンダント(西の地平線、DSC/DC)

・北中点(IC)


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この4つの感受点は、とりあえず重視することになるのでしょう。
この4つの感受点、「極点」のうちで、ASCとMCの付近の天体や、ASCからMCへ上昇中の天体が特に注目されるでしょう。


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・重視する天体

 用いる天体は伝統的な占星術の通り、太陽、月、水星金星火星木星土星天王星海王星、冥王星、あとはラーフ(ドラゴンヘッド)とケートゥ(ドラゴンテイル)になると思います。

 このうちでラーフとケートゥは、個人の「主星」とはしないと思われます。
インド占星術にはラーフ、ケートゥを個人の主星とする考え方をする人もいるようですが、この考えは受け入れないでしょう。

これらは他の天体に影響を与える一要素、ホロスコープを総合的に解釈するときの一要素になると考えるでしょう。

 

 太陽と月の扱いについては、ちょっと、今のところは何とも言えないです。

冥王星に関しても、何とも言えないです。


 また伝統的な占星術の考え方には、個人の特徴を特に示すのが、太陽、月、水星、金星、火星という考えもあるのですが、この考えにはこだわらないでしょう。
しかしこれらは水星=知能、火星=感情の激しさ、など個人の特徴の内でも表面化しやすくて分かりやすいものを意味しています。


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 占星術師によって様々な解釈はありますが、、、、

太陽= 生命力、活力、卓抜した人格・バイタリティ・存在感、自我、月との対比では肉体や物理的なもの

= 精神、心理、感情、精神世界

水星 = 知力、知性、数学的な才能、(特に言語的)コミュニケーション能力、記憶力

金星 = 愛、優しさ、美、芸術、交際、喜び、楽しみ

火星 = 感情の激しさ、エネルギッシュ、情熱、自信、活動力、怒り、闘争・戦争、銃火器、火薬

木星 = 普遍性、拡大・発展、創造性、高貴さ、倫理・道徳・精神性・宗教、霊性、広い視野、自我、集団的な力、指導者、教育者、インド占星術では「グルの星」

土星 = 忍耐、グラウンディング、堅実さ、地道さ、試練、軛、制限、束縛、タマス、試練や苦闘・忍耐・努力を通した成長・精錬、矯正

ラーフ(ドラゴンヘッド)ケートゥ(ドラゴンテイル)
月の交点。天体ではないのですが、伝統的には鑑定では天体のように扱われます。

解釈はよく知りません。
占星術師によって解釈は様々で、西洋占星術とインド占星術でも解釈の違いが大きいようです。

インド占星術においては、霊的な成長・体験や、カルマ的な影響力といった観点から注目されることもあるようです。

ラーフとケートゥのどちらも、どちらかというと「凶星」とされますが、例えば、品位、アスペクト、ヨーガ(天体の配置のコンビネーション)次第では、ケートゥは霊的・宗教的な修行の素質・適性・ふさわしい時期などを示すといった解釈などがあります。

ラーフ(ドラゴンヘッド)の影響は、木星もしくは天王星に似たところがあり、ケートゥ(ドラゴンテイル)は、土星もしくは海王星に似たところがあるという主張もあります。

チベット仏教のラーフ

占星学的な災厄を取り除く儀式の本尊とされます。
チベットではラーフとケートゥを一体として表現されるようです。

チベットの占星術ではラーフは「天体」の中でも強大な力を持つとされるようです。


 以下、トランスサタニアン(土星の向こう)については、占星学の歴史においては新しい天体のためか、とくに、様々な解釈があります。
現代のインド占星学にはトランスサタニアンを取り入れたものもあるようです。

天王星= 変革、革新、革命家の星、発明、新奇性、直感力、精神世界、サイキックな能力、伝統の軽視や破壊、因習の打破、自我、意志、偏屈、極端・過激・異様さ・エキセントリック

「偏屈な・偏りのある水星」と呼ぶ人もいるようです。

たとえば水星の影響力の強い人が、あわせて天王星の影響も受けて出生すると、非常に高い、もしくは、異様な知的能力や傾向、記憶力を意味することがあるという解釈もあります。


海王星 = 精神世界、心理・感情、精神的な理想、誠実さ、神秘、サイキックな能力、霊的な衝動、霊感、詩や音楽、芸術的傾向、ファンタジー、水、植物

海王星の影響力は、物質・物理的な方面では漠然なものとなりがちとされ、しばしば「甘美な夢や幻」に例えられています。
「オカルトかぶれの(ぼんやりした)金星(月)」などと呼ぶ人もいるようです。

たとえば木星などの影響とあわせて海王星の影響がある場合には、人格面での独特な優雅さ、高貴さ、魅力を意味することがあるという解釈もあります。

天王星と海王星は、精神世界の方面では霊力、サイキックな力と特に関係が深いという解釈もあります。


冥王星 = よく分かりません。

伝統的には破壊と再生、死と再生、根底からの不可抗力的変化、精神的・物質的状態の一変・変容、一大変化、原子力、核エネルギーという解釈があります。

深い意識・普遍的な意識という解釈もあります。

また、冥王星に関しては、個人のホロスコープ鑑定ではあまり気にする必要がなくて、むしろ、もっと大きな流れ・意識、社会や人類・地球全体に関わるものであるとする解釈もあります。


解釈の恣意性、精神論・神秘思想的要素

 たとえ占星学に意味があるにしても、やはりホロスコープの解釈には恣意性、精神論・神秘思想的、後付け解釈的なものが生じてしまうのかもしれません。

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 たとえば、凄く頭のいい人なんだけど、知的能力よりも、その際だった感情・情動の激しさの方が印象的な人がいたとして、ホロスコープを見ると、実際に火星の強さが示されている場合、
かつ、水星の影響力も示されているようなこともあったとしたら、

この場合には、その人の最も影響力の強い星「主星」は、火星という解釈にすべきなのかもしれません。他に強く特徴を示すものは水星ということになるでしょう。

 そしてここで、精神論や神秘思想が登場することもあるでしょう。

つまり、この場合には、その人にとって火星の意味するものが、個人的な性格や能力だけでなくて、人生や「課題」について考察するのに重要ということです。

火星の意味する傾向や能力を善用するか悪用するか、ということであり、火星の意味することに、人格、人生における注意点や課題、成功や失敗に関する重要な要素があるなどです。


 さらにこの点において、占星学の鑑定に意義があることなのかもしれません。
既に「鑑定の根本的な目的」として述べたように、アドバイスし励ますという意義です。
「あなたの火星や水星はこの位置でした。だからあなたは~~なんです」だけではなくて、欠点や困難に対処し、能力や機会を活かし、最善となるようアドバイスして励ますものです。


運命論は不愉快 ―― 人間の意志、選択、偶然などの要素

 特にインド占星術の界隈では「鑑定がもの凄く当たる」という噂もあって、運命論者になる人もいるようです。

この運命論については、不愉快なので、受け入れないでしょう。
そもそも占星術がガチガチの運命論を支持するなら、占星術鑑定には意味が無いように感じられます。


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 人生には個人の意志、選択、努力、習慣による形成や、あとは偶然といったものが大きいと思います。
 本当に占星学に意味があり実用性があるとして、ホロスコープが個人の性質を示すとしても、ホロスコープ上の天体の配置と同様に、やはり、個人の意志や選択なども重要なのではないかと思われます。

ホロスコープで読み取れるものがあったとしても、、それには個人の能動による働きかけの、しばしば多くのものは含まれない、、、と考えたほうがいいのではないでしょうか。

出生時に太陽が牡牛座にあったとか、木星が上昇中であったとかよりも、個人の能動による働きかけの方が、人生には大きな意義があるのではないでしょうか。


関連note:占星術(星占い)について。運命論?バーナム効果?


・スピリチュアルな神秘思想(輪廻転生、前世、カルマ)

 ちなみに、宗教、スピリチュアルでは輪廻転生が説かれるものがあります。
インド占星術では、輪廻転生や前世のカルマの思想がしばしば提起されます。

西洋占星術でも話題にする人はいるようです。


 欧米系スピリチュアルにも、輪廻転生・カルマの思想を説くのはあります。
そこでしばし語られるのは「木は倒れた所に横たわる」という聖書の言葉です。コヘレトの言葉11章3節にあります。

これは「前世からの衝動、傾向、カルマは、今生でも引き継がれる」という意味で用いられています。


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 そして輪廻転生説を受け入れている占星学の中には、ホロスコープで読み取れるものは、その「前世からの衝動、傾向、カルマ」の影響を示す天体の配置であるという考えもあります。

ホロスコープは、
「出生時に天体がこういう配置だったから、こういう人物になって、こういう運命になる」というのを示すのではなくて、

「前世で為したこと、形成したものや、それらの今生での影響力」に関するものを天体の配置が示し、ホロスコープが意味するという思想があります。

そして今生での為したこと、形成したものが、またカルマ的影響力となり、それが来世での天体の配置・ホロスコープを決定する要素の一つとなるという思想があります。

人間の出生や人生と、天体の配置が相応呼応するって、なかなかロマンチックな思想ですね。


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