ブレイクスルー|「原則」が「例外」を認める時
学校、職場、社会において様々なルールが存在する。
ルールは守らなければいけない。
優等生のいい子ちゃん達は、守るように努力してきただろう。
娘たちとの関わりあいの中でも、往々にしてそのような場面を見かける。
■子供のルール
例1)「○○君が、ダメって言われているところで遊んでた~。だから注意して先生に言ったの。」
例2)「お風呂に入ってから寝ないとダメ!!」
「原則」はそうであって、安全上や社会規範上の問題が生じなければ、「必要に応じて」破ってもいい。破った方がいい場合もある。
例1) 低学年は注意を受けるところであり、今回の場合は中学生のお兄ちゃんたちがついているので良い。
例2) 体調が悪い、帰りが遅くなった等で睡眠時間を確保したい場合もあり。気持ち悪くなければ、毎日お風呂に入らなくても、人によっては問題ないだろう。朝の人もいるだろう。
この「原則」は、多くの人は、学生時代まではあまり破ってこなかったのではないだろうか。少なくとも私はそうであり、ルールをしっかり守るべく、一生懸命に行動していたと思う。
■M先輩のブレイクスルー
私が初めて、「原則」はそれなりの理由があって認められれば、破られるのだと思い知ったのは、学部4年の研究室配属時であった。
研究室の配属には、ルールがあるとされていた。希望集計用紙に第5希望くらいまで書き、後は基本成績で決められるらしい。しかも特定の研究室に成績が偏らないよう、平準化されるという。
とある研究室にどうしても行きたかったM先輩は、希望集計用紙に事細かに「行きたい理由」を書き綴ったのだという。もちろん、希望集計用紙には希望順位が書かれているだけであり、「想い」を綴る欄は用意されていない。
そして、M先輩は希望の配属先を勝ち取ったのであった。
選挙用紙となれば、「無効票」とすらなり得るのだが、「想いを書いてはダメ」とは言われていない。そして、この用紙は機械的に処理されるのではなく、教授陣が目を通して決めていくのである。
M先輩の「想い」は適切に配慮されたのだろう。
同じような話は以下の本の中にも見られた。
作者のジェームズ・ドゥティさんは、家族の問題やアルバイトなどで時間が取られ、メディカルスクールを受験するために必要な成績が不足している状態であったが、面談にて「事情と想い」を伝えた事で「推薦状」を受け取る事ができたのだ。
■ブレイクスルーは「原則」を打ち破る事かもしれない
社会人になると、「原則」はあってもそれは人によって作られた「暗黙の了解」などであったり、「交渉」する事で「例外」は認められ、仕事というのはそのように進めるのだ、と言う事が徐々にわかってきた。
例えば、「締切」であるが、会議資料格納期限は定められているものの、有用な情報が判明したり、検討不足の点は変更をする方が望ましく、「配布資料」と「直前まで改良された発表資料」の内容が少々異なる事は時々生じる。
また、お客様規格などの範囲も、交渉により限定的に認められる事は多い。
新商品が世に出回る時には、その背後に多くの人の沢山のタフな働きを感じられるが、「想い」を一つに「原則」を打ち破って「例外」を認めさせた例は多数存在する。
「ブレイクスルー」とは、「原則」を打ち破る事かもしれない。