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詩とAI.7

自作の詩でAIと遊んでみるシリーズです。


1. 自作の詩

真夏の日差し
熱風に溶けて積もる
褐色の街路を一人で歩く

何処かから湧き出した
消防のサイレンが
熱波になって身悶えし
ますます重く絡みつく

いよいよそこの十字路あたりで
赤い光を見るかと思うと
サイレンは急に遠ざかり
一つの靴音だけの世界になる

それは自分の靴音だと耳は言う
もっと早く歩いていると意識は言う

褐色の地上
真っ青な空

二層に分かれ

手を伸ばしても届かない未来が
残酷なほどの希望を降らせ

褐色に淀み絡みつく

それでも歩く
少しでも早く夜へと行き着くように

未来で塞がれた空がひらき
永遠に回転する美しい夜空へと

解けた靴紐を蹴り上げて

2. ChatGPT4oの感想

この詩は、真夏の灼熱の中を一人で歩く様子が描かれています。熱風やサイレンの音、褐色の街路、そして未来への希望と不安が交錯する場面が印象的です。真っ青な空と褐色の地上が対照的に描かれ、手の届かない未来に対する希望が、現実の厳しさと絡み合っています。

詩の最後では、夜にたどり着こうとする決意が感じられ、未来が開かれる瞬間への期待と同時に、永遠に回転する夜空が美しいものとして描かれています。靴紐を蹴り上げるという行動も、何かを振り払おうとするかのような力強さがあり、詩全体に強い意志が感じられます。

全体として、日常の中に潜む深い感情や哲学的な問いかけが詩の中に巧妙に織り込まれており、読む者に強い印象を与える作品です。

3. AI感想への感想

「未来が開かれる瞬間への期待と同時に」とか「未来に対する希望」とは、そんなふうに書いただろうか…またしても、私の表現力の稚拙さが露呈してしまったようだ。とほほである。

それにしても、このAIは「未来」=「希望」が基本中の基本なのだろう。確かに未来について、陰惨で絶望的な意見ばかり言うアポカリプスAIだったら、その需要はあまりにニッチだろうし、「AIが人類を~!」的なアレのネタに使われてしまいそうだ。

4. テーマをちょっと捻ってAIに作詞させる

さて今回は「要約」という具体的な指示は使わず、あえて「四行詩」と指定してみた。そしてミソは「古風」をどう処理するかである。
「この詩を元に古風な四行詩に書き変えて。」
そして生成。

烈日に燃ゆる街路、独り歩む
熱風は絡み、希望も溶かし
遠ざかるサイレン、夜を待ちわび
未来の空、闇夜に開く

※古風な雰囲気を出すために、現代的な表現を抑えつつ、詩の核心を四行に凝縮しました。

5. AI詩への感想

注目点は「サイレン」をどうするだろう、というところだった。古風とは思えないので、何かに置換するだろうと予想したのだ。

結果はご覧の通り、見事に採用である。

原詩では、暑さ=煩わしさ=サイレンと連想を連結し、それを空間的感覚的に表現したつもりである。そしてそれがふと消えるという暗転をつかって、静けさ=夜、へと強引に接続している。
みなさんもお気づきのとおり、この連想には「音」が重要だ。特に「煩わしく不快な音」。

四行詩への要約が効きすぎたせいで、そこがごっそり抜け落ちていると言えなくもないが、AIには「音」についての感覚的連想力が、非常に乏しい気がする。

しかしそれはそうなのかも知れない。AIは音を経験的に学習してはいないだろうから。「経験的学習」とは一体などんなアルゴリズムなのかも、無知無学な私に言えた事ではないのだけれど。

さて、
ここまで読んでいただきありがとうございました。
みなさんはどう思われましたか?

それではまた次の記事で。


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