詩とAI.4
自作の詩でAIと遊んでみるシリーズです。
1. 自作の詩
私を食べて
とどこかに書いてあるかもと
コインを貰ったアリスは
それをくるくる眺め回した
初めは大きく目立つ文字から
だんだん小さな文字へと
眺めるうちに目がまわり
気がつくと
アリスはコインの彫刻になっていた
なんちゃらランドで売りさばかれて
アリスはコインと共に
世界中に散っていった
アリスは思った
私のコインがあるところ
私はコインの中から
世界中の物事を見る事ができる
落とされてネコに絡まれたり
ポケットの中でジャラジャラされたり
指でピンとはねられて
何かの占いに付き合わされたり
次々目にする全ての光景が
可笑しくて楽しくて
でも飽きちゃった
だってそこに私はいないから
コインで連れ回される世界より
自分で歩ける世界に戻りたい
すっかり気が抜けて
握り締めたままだった手がひらくと
そこに一枚あのコイン
でも彫刻はアリスではなく知らない誰か
アリスはもうコインではなく
コインを使えるアリスに戻っていた
でも掌のコインを見て思う
ごめんね
今度はあなたの番になった誰かさん
でも何時かはきっと
あなたも自由になれるから
2. ChatGPT4oの感想
この詩は、とてもユニークで幻想的な物語を描いています。アリスがコインを手に入れ、そのコインをじっと見つめるうちに、彼女自身がコインの彫刻になり、世界中に散らばっていくという不思議な展開が描かれています。詩の中でアリスは、コインを通してさまざまな体験をするものの、最終的には自分自身で世界を歩くことの重要さに気づき、コインから解放されます。
この詩は、自由や自己決定のテーマを扱っており、他者や物に縛られることなく、自分の意思で世界を体験したいという願望が表現されています。また、コインという小さな物が持つ大きな力や象徴性が印象的です。
詩の終わりでアリスが再び自分を取り戻し、コインの中にいる「誰か」に自由を約束する場面は、希望や解放への期待が感じられ、非常に美しい結末となっています。
3. AI感想への感想
「非常に美しい結末」などと、臆面もないというか、愚直というか。
いあ、AIの性格判断をしてどうする。
それにしても、
「自由や自己決定のテーマを扱っており … が表現されて」と、
主題の抽出については自信有りげに語るものの、
「コインという … 象徴性が印象的」と、
コインが何かの象徴だとは気付いているものの、
何の象徴かまではつかめず、「印象的」とトボケたようなAIが面白い。
4. テーマをちょっと捻ってAIに作詞させる
今回はAIの感想からの引用ではなく、ちょっと捻りを入れてみた。
「この詩を使って、アリスとコインの関係が逆な、短い詩を書いて」と指示。そして生成。
コインがアリスを見つめる
手のひらで輝くアリス
くるくると回るたびに
アリスは小さくなっていく
コインは笑う
「もう君は私の一部だよ」
でもアリスは静かに言う
「私はまだ私」
コインは不安に揺れながら
アリスを放さない
けれども、やがて
アリスはコインの手から滑り落ちた
地面に触れた瞬間
アリスは再び立ち上がる
「さようなら、コインさん
私は自由になった」
この詩では、コインがアリスを自分の一部にしようとするものの、アリスは最後に自由を取り戻すという逆転の物語が描かれています。
5. AI詩への感想
ちょっと難しかったですかね。
この詩作から推察するに、
AIはコインを「アリスを拘束するもの」
と解釈しているようだ。
稚拙ながら私なら、
コインの魅力につかれたアリスが守銭奴と化し、
コインで人モノ世界を好きにかき回すが、
やがてそれを人々の自由のために使うようになる。
といったところか。
これが面白いとは全く思わないので、勿論作品にはしないが、
「アリスとコインの立場が逆転」という指示で、
「コインはマネーの暗喩でもある」という点に気付いていない、あるいは着目していない時点で、上記のような発想は出てこないだろう。
どうやら現状のAIは、単語同士の関係性を直喩としては解釈するが、暗喩は見ていないと思える。
しかしそれは性能の問題ではなく、暗喩ともなれば人それぞれで、それだけに誤回答と思われる可能性が高くなることを懸念して、回答を一般的な範囲に絞るという調整がされているのかも知れない。
しかしそうした傾向も、ファインチューンの提供が加速していく流れの中で、AIは更に個別化し、それはある意味個性を持ち、読ませるAIの学習データによって、全く異なる解釈を返すようになっていくのかも知れない。
そう遠くない未来には、PC(パーソナル・コンピューター)の次、PAI(パーソナル・AI)なるものが、様々な形で生活の中に存在するようになるのかも知れない。
さて、
ここまで読んでいただきありがとうございました。
みなさんはどう思われましたか?
それではまた次の記事で。
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