散歩とあいさつ
最近歩くようにしています。暖かくなってきましたし、フリーランスで仕事をしていると、家に引きこもることが多いので「運動せねば！」と思ったんです。だいたい一時間くらい、ラジオをイヤホンで聴きながら歩くこともありますが、大抵は町の音や空気を耳で感じるようにしています。スタスタと少し早めに、でも歩くスピードなんてたかが知れているのでゆっくりです。そうすると色々なものが目に入ってきます。先月になって散歩をはじめ、気持ちの良い人や光景にたくさん出会ったので、ここに残したいと思います。
（こちらの記事は以前投稿したものでしたが、誤って消してしまったため再投稿しました。）
自分からのこんにちは
相手からのこんにちは
「運動がてら散歩に行くぞ！」そう決めた初日の出来事です。むっちゃんにプレゼントして貰った春コートを着て、揚々と出かけました。東北の２月にしては驚くほど春の陽気！ぽかぽかで気持ちのいい日でした。
２０分くらい歩いて、向こうから犬を連れた散歩中の方がやってきました。その犬がね、とっても一生懸命だったんです。私の苦手な小型犬だったのですが、小型犬でよく見るプルプルしているのとはまた別の、腰の悪そうなおぼつかない足取り。でも「飼い主と一緒に散歩に行くんだ！」という強い意思をはっきりと感じる姿でした。その姿がもう健気で健気で…
にこにこと犬を見ていたのに、飼い主の方に挨拶なしでは失礼と思い、すれ違う際、飼い主の方に「こんにちは」と挨拶しました。数ヶ月ぶりにする、すれ違っただけの人への挨拶です。独り言とも取れるくらいの小さい声だったと思います。でもその飼い主の方はちゃんと挨拶を返してくれました。しかもその人から返ってきた「こんにちは」の言葉には ”まぁ！嬉しい！” という小さな驚きが含まれているように感じました。私も ”挨拶を返してくれた！”と小さな喜びを感じました。
お店に辿り着き、ひと通りぷらぷら見終えた帰り道。いつも気になるけどあまり入らないお店を見ながら歩いていると、正面からきたおばさまに「こんにちは〜」と明るく挨拶をしてもらいました。「こんにちは〜！」とすぐさま返しました。 今度は挨拶を ”してもらった！” と嬉しくなりました。
行きは知らない誰かへ挨拶、帰りは知らない誰かから挨拶。なんだかすごく素敵で嬉しくなりました。お店での会計時など、店員さんに挨拶や会釈をすることはしていますが、道端ですれ違っただけの人への挨拶は本当に久しぶりだったので、余計に嬉しかったんです。
散歩初日はすごくいい日となりました。
工事現場のおじさん
数十メートル向こうで工事現場の警備をされていたおじさんと目が合いました。目があったら挨拶をすぐできたらいいけど、そうじゃない絶妙な距離感の時ってありますよね。てくてくと近づき、おじさんとわたし、ほぼ同じタイミングで「こんにちは」と挨拶を交わしました。
「天気いいですね〜」とおじさん。
「ですね〜」とわたし。
そしてパン屋さんでパンを買い、再び工事中の道を通りました。一通になっており後ろから車が来たので、待たせては悪いと思い、てってってっと小走りで通りました。通り抜けて再びおじさん「ゆっくりでいいのに」と笑って声をかけてくれました。「へへへっ」と笑ったわたしの心は、なんだかほこほこ。
その気持ちのまま帰宅し、ひと息ついてから食べたパンは、いつもより少し美味しく感じました。
道端の苔ちゃん
私は苔が好きです。道端で気になる苔ちゃんを見つけるとチョンチョンと挨拶します。
楽しそうな老夫婦
仲の良いご年配の夫婦を見かけると、なんだかこちらまで幸せな気持ちになるものです。
この日見かけたのはスーパーから何かを買って出てきたご夫婦。散歩がてら一緒に買い物をした帰りだったようです。とても仲良くおふたりで話してたんですよね。楽しそうに話されてたので私は挨拶はせず、にこにことその光景を見て通り過ぎました。
夫婦のつながりにも色んなものがありますが、この日すれ違ったご夫婦からは上下の関係を感じませんでした。なんというか、普段から同じ目線の高さで過ごしているんだろうなという感じ。会話のトーンにも変な気遣いはなく、とても自然でまるで友達同士のようでした。きっと言いたいことを言える仲で、よく喧嘩もしてらっしゃるんじゃないかなとも思います。
「いいなぁ。こんな老後、自分も持てたらいいなぁ」
そんなことを思いながら、わたしはスーパーで袋麺を購入。鼻歌を歌って帰りました。
青空に、シュー
ふと空を仰いだときに飛行機雲があると、思わず撮ってしまいたくなります。
いつも通る見慣れた道でも、季節や気温によって見える景色や発見できることがたくさんあるようです。また、自分の気持ちのコンディションは表情に良くも悪くもにじみ出てしまうもの。自分がその時どんな気持ちだったかによっても、誰かの声かけであったり、舞い込んでくる事柄は変わってくるのかもしれません。
また散歩での出会いや感じたことがあったらエッセイにしてみたいと思います。
読んでいただきありがとうございました。
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