諸法実相(2)ーお釈迦さまが菩提樹下で経験された法界知見について
法華三部経は仏教の宇宙観を踏まえて読む
〈諸法実相(1)〉では、仏教の基本的な宇宙観についてみました。それは、私たちが目にしている現象世界は仮初めの世界であり、その基盤には肉眼では見えない実相世界(真実の世界)があるというものでした。
法華三部経では、無量義経説法品第二においてその宇宙観が明確に説かれており、前記事では、とりわけ重要な箇所を何箇所か引用して、内容を詳しく見ました。
無量義経に続く妙法蓮華経はこの宇宙観を前提として説かれていますので、無量義経が法華三部経の開経と言われる所以が理解できるところです。
この宇宙観はお釈迦さまが菩提樹下での三昧中に見出されたものですから、その過程と内容を深く知れば、そこから展開したお教えの全貌がはっきりと浮かび上がってくるはずです。
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