見出し画像

雨が降る山道で赤ちゃんの泣く声が微かに聞こえる

これまで怖い話を2つ投稿させてもらって、私って結構怖い経験していたな、と。
ほとんどは友人のAとBと旅行した時ですが…。

今回はまたAとBと◯県の◯島を旅行した時に体験した怖いお話を投稿します。

私たちはレンタカーを借りて◯島の観光地を巡り、夕方5時頃に海沿いの居酒屋で夕飯を食べることに。
夕飯を食べ終えて居酒屋を出ると、雨が降っていたので急いで車に乗りました。
その居酒屋からホテルまでは車で15分ほど。
海沿いの道をひたすら走って行けば着くのですが、道に迷ってしまったら嫌なので一応ナビを設定しました。
運転手はAで私は助手席、Bは後部座席に座っていてスマホで音楽を流していました。

5分ほど車を走らせていると、ナビが左折の指示を出したのでAは左折をしたのですが、人気の無さすぎる道に少し不安を感じました。
AもBも同じように不安を感じていて、「近道なのかな?」と話しました。
(こういう時人は自分を無理矢理にでも納得させますよね)
その頃には雨がかなり強くなってきて、ワイパーをMAXにしてもかろうじて前が見えるくらいの危ない状況でした。

10分ほど真っ暗な道をゆっくりと走り…
どうやら私たちは山道を走っていたことに気づきました。
「雨が少し落ち着くまで端っこに車を停めて待とう!」と提案し、車を停めました。
山道を走ってることすら気づかないのかよ!とツッコまれそうですが…全く気づきませんでした(笑)

ナビを見てみると目的地はちゃんとホテルに設定されている。
だけど、山道遠回りルートになっていて到着までに30分くらいかかりそう!
「左折する所を間違えたのかな」とAが申し訳なさそうにしていました。
車内では今回の旅行の話はもちろん、大学の話等をして時間を潰しました。
すると雨が少し落ち着いてきたのですが、Bがそれまで流していた音楽の音量をオフにしたので雨が車体を打ち付ける音だけがバチバチと車内に響きました。

Bが「ねぇ赤ちゃんの泣き声みたいなの聞こえない?」と言いました。

私とAはその衝撃的な一言を聞いて黙ってしまったのですが、しっかりと耳をそばだてました。
でも赤ちゃんの泣き声のようなものは聞こえない。
Bは普段からよく冗談を言うものの、その強張った表情を見たら、それは嘘ではないのだろうと思いました。

Bが大きい声で「やっぱり赤ちゃんの声が聞こえる!」

すると、後部座席の窓をコンコンコンと3回叩く音がしました。
雨は降っているものの、明らかに人の手で窓を叩いたのだろうと分かる音。
私は怖くなってしまい、「とりあえず車を出そう」とAに言いましたが、Aは運転席側の窓を見て「ちょっと待って」と言い、前方を確認してから車を出しました。

それから10分くらい走ると民家の多い場所まで出ることができ、私たちは「怖かった〜」と緊張が一気に解けて笑い合っていました。
その頃には雨は止んでいました。

それからホテルに着いてゆっくりとお風呂に浸かって、布団ででゴロゴロしていると自然とあの出来事の話題になりました。

B曰く、車を端っこに停めて皆で話をしていた時に、赤ちゃんの泣き声が微かに聞こえてきたそうです。
気のせいかと一旦スルーしたものの、やっぱり赤ちゃんの泣く声が聞こえる。
そこで流していた音楽を止めてみると、車の後ろの方から赤ちゃんの泣く声が聞こえてきたとのことでした。
私とAにはその赤ちゃんの泣き声は聞こえませんでした。

「しかも窓を叩く音までして怖かったよね」と私が言うと、AとBはそんな音はしなかったと言うのです。
あの明らかに人の手でコンコンと窓を叩いた音は私だけに聞こえていたのでした。

「でもさ雨降ってたのに傘をささないで歩いてた人も怖かったよね」とAが言いました。

Aが見たというその人は雨が降っていても傘もささず、何かを抱えながら車の横を歩いていたと言うのです。
顔ははっきりとは見えなかったけど、恐らく女性であろうシルエット。

しかし、そのような人を私もBも見ていません。

また幽霊に出会ってしまったのか!
私たちはネットで〘◯島 幽霊 山の中〙等ワードを入れて調べてみたのですが、ヒットするものはありませんでした。

Bだけに聞こえた赤ちゃんの泣き声。
私だけに聞こえた後部座席の窓をコンコンと叩く音。
Aが見た雨が降っていても傘をささないで何かを抱えて歩く人。

本当に人だったのか、今でも謎を抱えたままです。






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?