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そういえば入院して、親知らずを4本抜きました。後編1

前回の続き。親知らずを抜かなきゃならなくて
びびっていたよって話。2020年1月の出来事。
↓親知らず前編

入院当日は朝早い。
息子は幼稚園へいつも通りに送り出し、
娘は私の母に託した。
幼稚園の連絡帳に
今日は私ではなく、私の母が迎えに行きますと書いた。
何かと理由をしっかり書きたい私。
先生からしたら誰が迎えに行くかだけ知れればいいところ
私はしっかり理由を書いた。
『親知らずの抜歯で入院するため。』
そこまで書く必要はないのだけれど、
ほぼ100%お迎えが私なのでいきなり祖母が、迎え。となると
先生達心配するかもしれない。
これまたいらぬ心配だ。
蟹座は心配性なんだよ。

そもそも、なぜ入院してまで抜くのか。
私の下顎両サイドに生えている親知らずたちが
非常に角度が悪い。普通に抜くのも大変だけど、
数ミリ、ミスるだけで下顎の神経が死んで下顎麻痺になるとかで。とにかく口腔外科でちゃんとやってもらわないといけない。
残りの上顎の親知らずたちもどうせならやってしまえ、ということで入院して、一気に4本。
素直にまっすぐ生えてくれていたら、こんなことにはならない。
ギャルには憧れたことはあったけど、
真面目にちゃんと生きてきた私。
口腔内でグレていたやつがいたとは…。

それを、いつもの歯科室でいつものクリーニングをお願いしたときに『これは入院、手術で行くしかないね』
とさらり言われて
紹介状どーん。
行かないとだめなやつじゃん。

さて、受付を済ませて採血やら問診やらしたような。
とにかくベッドに案内されてからかなり待たされた。
前の患者さんの手術の進行具合によって私の時間も前後するらしい。
9時には病室にいたけど、呼ばれたのは2時ごろだった。
そして何も食べてはいけなかったからお腹も空いていた。(ような気がする。)

ダウンロードしておいた動画を一気に見た。

さぁ、そろそろ行きますね〜と
看護師さんが準備しにきた。

ベットからストレッチャーに移動。
手術をするにあたっての、なんかの注射をした。
それがたまらなく、たまらなく、たまらなく痛かった。刺したあとに遅れてやってくる鈍くて重い痛み。
振り返ればあの注射がこの入院で1番痛かった!!
くぅぅぅ〜と堪える私に看護師さんが笑いながら
『筋肉注射は痛いよね』って。 


ストレッチャーの横に付き添い役の主人がいる。
この日のためにわざわざ仕事を休んでくれた。
手術なんて私一人で済むのにと思ったが、そうはいかないらしい。付き添い人が必要なんだと。
看護師さんと三人で手術室に向かうとき
『なんかドラマみたいだね』
と主人とくすくす笑っていた。
手術室に運ばれていく妻、見守る夫。

手術室に入ってからは早かった。
はい、麻酔かけますねー
はーぃ…返事を言い終わる前にすとん、と、落ちた。
体の下にぐぐぐっと落ちた私。 

暗闇から寝ている自分を見上げているような感覚だった。遠い遠いところに『私』がいる。

そして手術が始まり、

ウィーン、ウィーン、ギシギシギシギシ、メリメリメリ
…ん?
音が聞こえる。。

全身麻酔って気づけばそこは病室、ではないのか?

はっきりと手術の音が聞こえる!!
歯を抜いてます!って音! なぜ聞こえる!?
今、抜いてますよね!!
全身麻酔かかってる?

でも確かに麻酔はかかってる。
何か施される度にお医者さんが
声をかけてくれる。
でも聞こえるのに返事が全くできない。
声を出したいのに出せない。
うなずくことすらできない。
機械音と削って抜いていく音だけが聞こえる。
なんなんだこれ。

激しい作業音は聞こえるのに痛くもなんともない。
これが全身麻酔なのか……?

終わりましたよ。無事に取れました。

そこまでは覚えている。
あとはなぜか寒くて寒くて自分が震えていた。
震えている自分をやはりもう一人の私が下から見上げていた。

………
目覚めたらそこは病室だった。
主人が私の足元で腰掛けていた。

4本の親知らずが入ったジップロックを揺らしながら
『ちゃんと抜けたってさ』とこちらに見せてくる。

どうやら2時間近く寝ていたらしい。
終わってから病室に戻る記憶がない。

どうも全身麻酔の効果のタイミングが合っていないような気がするが、こういうものなのだろうか。

そのときの時点で歯に痛みはない。
でも、顎周りが痛い。疲れている。
多分手術中、すんごい、口を開けさせられてたんだと思う。
舌で抜けたあたりに触れるとぽっかり穴が空いていた。
おぉぉー。(鳥肌)

抜けた4本の歯にとくに愛着もないので
破棄してもらった。なんなら初めまして。今まで埋まってたしね。

次回、術後の私、手術が終わるのを待つ主人が思ったこと書きます。

もういいよ、って?
いやいや、いつかの抜歯する誰かのために
ここに記します。


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