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実母と同居 その2

実母の話

いろいろある。

前回、実母との同居について適当に書かせていただいたところ
自分が想像していたより多くの人から反応してもらって正直驚いた。
何てことない生活の話だし、なんなら実際のやりとりの醜い部分は省略して、ずいぶん小ぎれいにパッケージされたような文章だと思っていたので、なんだか嘘の話を発信してしまったような気恥ずかしさがあった。

実際には
毎日顔を合わせる生活だと、ほんの些細なことでイラっとしたり、嫌な言い方をしてしまって険悪な空気になってしまったり、そんなことがしょっちゅうある。
例えば、うちの母はテレビが大好きで爆音で鑑賞したい派。私は音がうるさいのが嫌。
そこで母は最近Bluetoothの肩にかけるタイプのスピーカーを購入し、家事をしながらテレビを観ている。

しかしそれをつけてウロウロしていると、家じゅうのあちらこちらから爆音の「徹子の部屋」とかが聞こえてくるし、なんなら遠くから徹子がこっちに近づいてくるような感じで聞こえてくるし
どっちにしろうるさかったりする。

母に用事があって声をかけると、爆音スピーカーに邪魔されて聞こえなかったりするし、向こうも返事する声のボリュームがおかしいことになる。

そんなことでイライラすることもある。

最近の家事の配分

実は先月、母は氷ですべってコケてしまい、膝にヒビが入ってしまった。
というわけで3月~4月は家でおとなしくするばかりの日々だった。
とはいえ、「何もしない」が苦手な母は何かしらの家事はしてくれる。
現在はギブスも取れたので、なんなら積極的にやってもらったほうがリハビリにいいんじゃないか、とか考えている。
相変わらず洗濯は母におまかせである。
晩御飯は私が準備する。(きんぴらは母に作ってもらうけど)
掃除はそれぞれの居住エリアを自分でやる。
そういう感じで無言の配分でやっている。


孫とのかかわり

最近、母が昔の歌を思い出して口ずさんでいたのだが、タイトルがわからないという。
「あんた、知ってる?」と聞かれたが、知るわけないそんな古い歌。
すると孫が(つまり私の娘ね)「ググれば」と
デジタルネイティブ世代らしい提案をしてきた。
早速ググると題名が出てきた。「故郷の空」という歌だった。
なんでも、母が子供のころ祖母が歌って聞かせてくれたらしい。(なんかセンチメンタルな顔をしてそう言ったが祖母は97歳でまだ健在である。)
それを聞いた孫が一言
「エモっ」

「エモい」という言葉はつまりEmotionalということなので、なんとも的確な表現だったと思うが
軽すぎる印象のその三文字の言葉がうちの母には理解しがたかったみたいで
「キモっ」って言われたのだと勘違いしてしまった。

「し、失礼な・・・」とショックを受けていたので
違う違う!そういう意味ではないよ!と母に説明した。

世代が違えば誤解が産まれることも多々あるし、言葉はTPOに応じて適切に使うことが大前提だけど、世代間交流としてこういった新たなボキャブラリーに触れることは良いことだと思う。
うちの娘たちが、10代にしては古臭い言い回しをすることも、
母が「エモい」の意味を知ることも
どちらも良いことだ。


足が治った母

足は治ったし、暖かくなってきたし
母は今日お友達とランチするといって出かけた。

元気に出かけてゆっくりしてきてくれ。
子供たちが学校から帰ってくるまでの間、私は一人を楽しむ。


おわり。

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