言語化について

思ったことを口に出せないことで悩んでいる人はどのくらいいるのだろうか。

実を言うと、私は今そのことで悩んでいる。

私は非常に物静かで、落ち着いた人間であり、集団内であまり自分の意見を発するタイプではない。それは友人同士のコミュニティでも同じだ。なので、しょっちゅう「もっと喋れよ」と言われる。

だが、決して集団で仲良くワイワイ話すことが嫌いなわけではない。そして話すことが嫌いなわけでもない。むしろ、自分の経験や教訓を人に話すことは好きな方だ。にもかかわらず、思ったことを口に出すことに心理的ハードルを感じてしまうのだ。

「『これを言ったら嫌われる』とか『こんなこと言っても何もおもしろくない』とか、そんな小さなことをいちいち考えて言いたいことを言わないのはあまりにも人生損しているのではないか」と言う結論を自分の中で無理やり出したこともあったが、今考えるとそもそも自分の中の「言いたいこと」とはなんて存在するのか。と思う。そんな単純な話ではない。

そもそも自分には言いたいことなんて無いのではないか。そんな気がする。

「だって周りは誰もそんなこと気にしてないじゃん何も気使ってないじゃん。そりゃなんかあったら気使うこともあるけど何もなければ言いたいこと言えばいいじゃん。」

「『これを言ったら傷つくかな』とか思ったとしても言えばいいじゃん。仮に傷ついたとしてもすぐ忘れるよ。そんなことで簡単に関係が悪くなるような仲じゃないでしょ。」

もう一人の自分が声高に叫ぶ。確かにそう思う。

でも、そうじゃない。

思っていることは確かにある。相手の話に対する感想や意見はあるが、それを自分が言葉に「できない」のか「しない」のかがわからない。

仮に「しない」のであれば、それはなぜか。「できない」のであればできるようになるにはどうすればいいのか。

この悩みに答えが出るのは一体いつだろうか。答えなんてあるのだろうか。

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