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【婚活回想記】この世の終わりと最悪な婚活のはじまり③

前回のお話

彼と一緒に居た5年間は、キスもセックスも出来なかった。
彼がそれを好まなかったから。

理由を細かく書く事は出来ないが、何か色々とトラウマがあったらしく、
彼を尊重してあげたいと思っていたからこそ、嫌なのであればそれはしないで私たちなりに愛をはぐくめばいいと考えていた。

いわゆるプラトニックな愛情。
身体でつながらなくても、心がつながっていれば大丈夫。

今考えればそれもどこか無理があった。
そんな中、裏では彼女とセックスをして中出ししたってこと。

「ピル飲んでたって言ってたから…」

ああ、本当に馬鹿みたい。
こんな事でも私は純粋すぎて、騙されたんだ。

彼の言う言葉全てを信じ、壊れないように
大事に大事にしてきたがために
私はとんでもない最大級のダメージを受けることになってしまった。

衝撃から一日が経って、自分の中の諦めの悪い悪魔がささやきだす。

妊娠っていうのが彼女の嘘だったりしないか?
とか
これ流産した場合はどうなるんだ?
とか。

少しの可能性にかけても、彼にすがろうとする自分も居た。


突如未来が見えなくなってしまった私にとっては
こんなクズにすがる事でも自分の価値を見出したい。

だけど、こんなどうしようもないクズにすがって
もし私の元に戻ってきたとしても
この先、私をさらに苦しめることは分かりきっていた。

この場所からすぐにでも離れなければ。
神様がもし居るならば。
荒治療で私を救ってくれたと思わなければ。

今は苦しすぎるけど
私の未来が、この場所から離れて欲しがっていたんだ。

といえども毎晩心は揺れ動く。
いつものように連絡したい。声を聴きたい。
彼は私の事どう思ってるかな。後悔しているのかな。

情にほだされて、また悲しくなって。
身体もやせ細り、無意味で情けない日々が積み重なっていく。

もうこれ以上こんなクズ男に私の未来を奪われてたまるか。
命は平等だ。私にはもう時間がない。


そう自分を奮い立たせ、婚活を始める決意をしたのだ。

ーこの世の終わりと最悪な婚活のはじまり編 完ー


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