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異性の理想は何で決まる?【東京で出会いにまみれて暮らして分かったこと】

昔、はーちゃんというガッキー似の美女がいた。
明るくて、ノリもよくて、オシャレ
どんな飲み会に行っても、モテる子だった。

彼女とは時々お茶やご飯を食べながら
恋愛報告をする仲だった。

は「ねぇ、いい人に出会った!」
私「え、どんな人?」
は「韓国の芸能マネージャしてる人!」

後日、遠距離は難しそうで諦めたと連絡が来た。

は「今度こそいい人に出会った!」
私「え、どんな人?」
は「普通の会社員」
私「どんなトコが好きなの?」
は「うーん、毎日仕事にちゃんと行くとこ」
私「なるほどね!」

頭の中はクエスチョンマークだった。
「え、それって当たり前じゃないの?」
そうよぎったけど、はーちゃんの自由なので消した。

はーちゃんの周りには東京っぽいハイスペ男性もたくさん居た。
富裕層のキラキラ男性も居た。

けど、はーちゃんは決まってこう言った。
「なんか疲れる」

不思議なほど、美女はーちゃんの理想は低かった。


昔、スガちゃんという友達も居た。
ボーイッシュで体格がしっかりしていた彼女は
なかなか男性との縁には恵まれず、理想が高かった。

レストランで2人で食事中、恋愛トークになった。
ス「海外経験豊富で、高学歴、身長が高くてトークが上手な人がいい」
私「確かに、かなり良いね」
ス「外資系イケメンだったら最高!」

ス「でも・・・理想の人と出会ったこと無いんだ・・・」

スガちゃんは食べかけのナイフとフォークを置いて悲しそうだった。
けど、正直でプライドが高くないってイイナと思った。

彼女が出会ったことのないタイプを理想に掲げているのをみて
一体理想ってどんな風に形成されるものなんだろう、と不思議に思った。


後日、スガちゃんの実家に遊びに行ったら
一般的な東京練馬区の家庭だけど、兄弟が皆高学歴エリートだった。

なるほど、ちょっと腑に落ちた。
彼女にとってはこれが男性としての "普通" なんだ。

スガちゃんはその後、謎な詐欺にあったと連絡がきたっきり
音信不通になってしまった。



はーちゃんはある日突然結婚した。
例の「毎日ちゃんと仕事に行く人」だった。

もう引っ越すことになるから近所のお祭りに遊びに行こう、
と招いてくれたのは品川区の小さな可愛い一軒家。

はーちゃんはSNSによく母の日のお祝いご飯や感謝を載せていたものの
父親は一度も登場したことがなかった。

「片親なのかな?」
そう思ってたけど、自宅にあがり廊下を通った時
畳の上に寝転がってテレビをみてる父親らしき小柄な男性の背中が見えた

母親はまだ仕事中らしく、
はーちゃんの部屋で涼んでからお祭りに出かけた。

「私さ、お父さんって昔から嫌いなの」
お祭り会場に着いた時、はーちゃんがため息気味にそう言った。

「え?どうして?」
そう聞くと
「すぐ仮病で仕事サボってテレビみながら寝てるの」
はーちゃんは綺麗な目元の睫毛をしかめるように震わせた。


ふと、スガちゃんのことを思い出し、
「理想がどんな風に形成されるのか」
点と点がつながった。

ー家庭内の異性の平均値で恋愛の理想は決まるー

家庭内の異性がサボってばかりの父親しかいないはーちゃんにとって
毎日仕事に行く人は既に魅力的な男性。

そしてそこからかけ離れた過ぎたハイスペ男性や富裕層は
もう居心地が悪い、範囲外になる。


一方、ハイスペ兄弟に囲まれたスガちゃんは
”普通”とする基準が高く一般的な男性は魅力に欠けてしまう。

そしてきっと
まだ縁はなくとも、理想が落ちていくことはなさそう。

理想の相手というと、
大人になってからの性格や生き方でふわっと形成されてそうだけど、
実際には全然そうじゃない。

成人する前に9割以上は完成されてそう。

「なぜこの人はモテるのにこんなに理想が低いんだろう?」
「なぜこの人はモテないのに理想が高いんだろう?」

本人のことを知り続けてもだいたいピンとこないけど、
その人の家族の異性を見れば謎が解ける。


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