妻との不妊治療 闘いの日々3年 二人三脚に幕を閉じました【この頑張った3年も人生の素敵な思い出に】

妻36歳より不妊治療に尽力してきました。

出産に全力を尽くすために、10年勤めた会社を退職して万全の環境を整えての挑戦でした。

あれから、3年。妻30代最後の年に不妊治療に幕を閉じました。


結果、無事に子供を一人授かることができました。

運よく、最初の移植で着床、出産にまで至ることができました。

この時はまだ、不妊治療の過酷さを知ることもなく、「胚盤胞が余っちゃってるし、五つ子ちゃんになっちゃったらどうする~」などと呑気な夫婦でした。


私達夫婦は晩婚カップルでもあったため、

「兄弟で助け合って生きていって欲しい」

との妻の強い願いから、もう一人の子供を授かることを夢見て、コロナ禍の中で再び不妊治療を頑張ってきました。


当初、採卵で5個(採卵2回/3個+2個)の卵子が取れ、5個すべて胚盤胞に育つことに成功(内容もA、Bランクと期待が持てるものでした)。

1つは、初回の移植にて無事出産に至り、しばらくは二人で子育てに全力投球。

残り4個を凍結。

一人目出産より1年半後に、胚盤胞移植に挑戦しましたが、残念ながら4個全て結果は不妊でした(1個のみ着床、その他は着床まで至らず)。


不妊治療の辛さは体験された女性であれば、誰もが感じることだと思います。

働きながら通院される方もいらっしゃいますが、

・身体にかかる負担

・スケジュール調整(タイミング重視のため、自分都合のスケジュールは不可)

・お金の問題(一度の採卵・体外受精・移植で50-60万円)

何より簡単には妊娠に至らない現実と直面することでの精神的な負担が最も重いようです。

そして、不妊治療の辛い部分は、治療を重ねるたび、時間が経つごとに状況が悪化していく点です。次回は上手くいく、といったケースが確率的に少なく、確実に歳をとるし、体内環境が悪化していく、ということ。時間との闘いでもあり、徐々にランクが下がる胚を移植するしかないため、劇的な改善のない治療なのです。


私は夫として、妻を励ますことしかできませんが、普段ポジティブな妻が精神的にブレる姿(不安になったり、楽観になったり)は、傍らで見ていても辛いものがありました。徐々に「今度は大丈夫かも」といった言葉もトーンダウンしていきます。

「可愛い子供がもう一人いるんだし、無理しなくてもいいんじゃないのか?」

30代後半だし、出産リスクやコロナ禍であること、高齢出産後の育児の大変さなど、夫の目から見て不安な点があったことも確かです。

不妊治療は夫婦だけの問題ではなく、妻の周辺の人間関係など、様々な価値観や空気感の中で、自分の考えを押し通し、時には無関係な他人に対しても説明しなければなりません。

ただ、本当に私達夫婦はすがすがしい思いで、3年間の不妊治療生活から卒業できた気がします。

最愛の子供も授かることができ、全力で愛情を注いでいこうね、と夫婦の新たな共通目標もできました。

色々とありましたが、痛感したことは以下の通り

・晩婚化、不妊治療の保険適用により確実に治療を受ける方は増える傾向

・不妊治療での出生確率(胚移植後の全体) 13~22%

・母親35歳以上での出産割合 約25% → 40歳以上 約4%

・胚盤胞がAランクであっても、子宮内膜の厚さや状態が年齢によってリカバリーが難しい(若い時に凍結した胚であっても、移殖時の年齢が重要)

・体質によっての妊娠のし易さは30代以降はほぼない(35歳以降に着床率がが大幅に落ちていく傾向に個人差はほぼない)

・30代以降の女性は、キャリアや環境も含めて、出産前後の時間を確保する努力が必須(真剣に人生設計、生活設計をする必要がある)

・女性30代以降の結婚では、出産についても望んでも叶わないケースが50-70%あるため、ご夫婦での出産を含めた人生設計については結婚前にしっかりと擦り合わせをしておく必要がある(男性側に自然妊娠、不妊治療などの知識欠如のケースも多い点、費用面で50~数100万円を要するため)


この3年間の夫婦の不妊治療チャレンジは、大切な思い出です。多くの男性は出産、及び出産に至る過程を通じて、女性の強さ、愛情深さ、生命に対する覚悟を知ると思います。男性としては、具体的に手を差し伸べることはできないため、ただただ精神的に支えることに徹する。気持ちに寄り添い続けること、気晴らしや環境作りに徹することしかできません。

その点では、妻をますます尊敬する機会でもあり、絆を太くする大きなキッカケにもなりました。生命や運営に対する畏怖の念も芽生えることとなりました。

挑戦、問題の際に支え合えるパートナーになれるか。

婚活の段階から、人生の様々な課題を想定し、信頼できるパートナーかどうかを見ていきたいものです。

日々、人生に感謝です。

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