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おうち時間を楽しむ庭

お久しぶりです。コロナで世間は大変なことになっていますが、皆さんどうお過ごしでしょうか。私も感染を恐れ家にいることが増え、家族で過ごす時間を大事にしています。そのため家に居る時間をどうしたら充実できるかを振り返ってよく考えるいい機会になりました。今日はこの休みの間に考えたことや造ったお庭のことを書きます。

目次

1、体感する石組み「いわしみず」

2、「遊び心」×「暮らしのアイデア」=「おうち時間を楽しむ」庭づくり

3、プロフィール

体感する石組み「いわしみず」

いわしみず2

家事のためのスペースを除いた庭を造れる広さは3000㎜×4000㎜の小さなスペース

・「いわしみず」のデザイン

現代の住宅や暮らしに合うように「日本庭園」をシンプルかつコンパクトにデザインすると円形や楕円形になりました。

斜面部を切り取るような形で乱積み(石積技法のひとつ)で円形・楕円形(直径1400㎜)(中心部700㎜)(水深は200㎜)を表現。サイズや形はカスタマイズできます。

中心部に水鏡ができて空を映し出し、狭いスペースに広がりを作り出します

位置取りとしてはリビングから垣間見せるような位置が奥ゆかしくて良いと考えます。

水の流れる音は石の隙間で反響する工夫をすることで水源地に行く楽しみが増えます。

オーバーフロー式に排水。今回は、排水した水は妻の園芸スペースに散水される仕組み。

・「いわしみず」のねらい

現在の住宅事情や元々あった「日本庭園」への先入観と住宅デザインとの不一致により、数少なくなっていく「日本庭園」

現代のデザインに変化させていくことにより、一人でも多くの方に日本庭園の良さを知ってもらい、新しい庭園文化に昇華することに貢献できればと考えています。

「いわしみず」は山(庭)を歩く人やそこに住まう人たちに寄り添い、満たし、愛される存在であってほしいという願いからのネーミング

いわしみず作図

植栽は最近主流の雑木の庭風を参考にしました

・主木はクチベニフジ(2500㎜)。

「いわしみず」の周りにはアカマツ(1000㎜)

雑木と表示されているのがミヤマガマズミやユキヤナギ等の落葉樹。左端にはツバキのセイオウボを配植しました。

コケはオキナシラガゴケ

いわしみず4

「いわしみず」の制作費用ですが今回造ったような大きさ・深さですと50000~200000(石の種類によります)+オプション(植栽や飛び石や必要な土。特殊な水景の循環装置)になります。

もちろん「いわしみず」のみの制作もできます。


「遊び心」×「暮らしのアイデア」=「おうち時間を楽しむ」庭づくり


コロナ休暇中、私は家事をしたり子どもと遊んだりしていると、初心に還って「おうち時間を楽しむ」ためにはなにが必要なのかなと考えることが増えました。時間があるので、散らかっている庭の整理も含め新しい庭のデザインを生み出そうと思い立ちました。

若年者層向け石組モデル①5

まず、私は手作りウッドデッキや物干しを改修して家事をもっとしやすくしたり、子どもともっとプライバシーを守りながら遊べて管理のしやすい庭をデザインしました。つまり、そういった実生活での「暮らしのアイデア」が必要であると考えました。やはり、何よりも家事がしやすいほうがいい。

次に、ウッドデッキを二つに分けることで用途を「家事用」と「遊び用」で分けたり、庭においては子どもだけでなく大人も眺めていたくなる工夫をしました。つまり、庭師の「遊び心」も必要であると考えました。「遊び心」は、私がお庭づくりをする際大事にしていることで私の原点でもあります。

庭のデザインにおいて肝心かなめにすることそれは、

「遊び心」×「暮らしのアイデア」=「おうち時間を楽しむ」庭づくり

家族にとってどちらも大事であることを認識することができました。

プロフィール

雜部 鉱平(ゾウベ コウヘイ)

本人顔

1987年6月28日生まれのB型。兵庫県尼崎市の阪神地区で育ちました。幼少の頃、私は、近所に茶庭が解放されていて、そこでよく遊びました。今思えばそのお庭での記憶が私の庭師としての原点であるように思います。高校までは地元の学校に通い、大阪にある相愛大学で心理学を学びました。住いに関わる仕事がしたくて住宅メーカーに就職できましたが、程なくして退社。

参考写真5郡上吉田川

会社員の時に“庭がある住まいは暮らしを豊かにしていく”と気づき、京都のお寺の管理や京町家の管理をメインにしている西植造園と石積みや石組みなどの石仕事を得意としてる造園メインの株式会社ナカミチで庭師として計6年間修行。その後、石庭・枯山水メインで「子庭庵」という屋号で開業しました。

↓石組み「岩清水」(2017)

施工事例2堤食品さま

はじめは石組みや石積みのお庭をメインにしていました。今までに覚えてきたことをそのままやろうと努力していました。

ある人との出会いによって庭に対する考えが変わり始めました。進化したというよりは初心に還った。そんな感じです。その方は茶庭と建築に精通しており、遊び心豊かな現代の暮らしに合うお庭づくりをされておられます。私はその方から庭師として大事なことを学び、今に至ります。これからも進化し続けられるよう一人ひとりとの「出逢い」を大切にしていきたいと思います。

↓伝いの庭「湧水」(2019)

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最後まで読んでいただきありがとうございました。これからもよろしくお願いします。