人取物語

今は昔、誠意無く信じろと云ふ者ありけり。
烏合に混じりて人を狩りつつ、己の為に使ひけり。
あわよくば、意の儘の世にとぞ思ひける。
其の烏合の中に、物解る人なむ現れ出でたる。
怪しがりて、探り入るに、為人解りたり。
其れを云へば、一寸も憚らぬ人、いと怒れられて逝きたり。
人取物語

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