見出し画像

「好きなことを"ただやる"」推進委員会


丸一日ひとりで過ごす休日は久しぶりだった。

同棲をはじめてからは基本休日も恋人と過ごしていたし、それぞれに予定があるときも私が外出して恋人が家にいる、ということが多かったため、家に一人で過ごすのはなんだかとても新鮮で、初めて一人で留守番をする小学生みたいにわくわくとそわそわを胸のうちに潜めて友人に会いに行く恋人を見送った。

しっかり二度寝をし、洗濯物を2度回した。掃除や片付けも私にしてはなかなかちゃきちゃきとこなし、冷蔵庫に放置されていたキュウリを消費すべくツナと和えた。
買ったままにしていたジャニーズWESTのアルバムを聴きながらキュウリを切ってる時間は、すごく贅沢な時間に感じた。

午後からは買い物に出るつもりだったが、雨が降っていたので予定を変更して1日中家で過ごすことにした。

読書、デザインの勉強、DVD鑑賞など何からやろうかなと迷ったが、推しであるHey!Say!JUMPの新曲「ネガティブファイター」のダンスを覚えたかったのを思い出してものすごーく久しぶりにダンスの練習をした。

途中軽食をとったけど、3時間くらいほぼぶっ通しで踊ってたんじゃないかな。息が上がるまで踊り続けるのはかなり久しぶりだったけど熱中できて楽しかった。

大学時代に在籍していたダンスサークルは途中でほぼ幽霊メンバーになってしまったが、やっぱり踊ること自体は好きだし楽しい。

続けられなかったことに負い目を感じて、好きだと公言することが憚られていたけど、自分が好きなものを一つ思い出した気がした。

「好きなことを気の向くままにやる」でいい。


最近の私は、いろんなことに悩みながらもすべてが中途半端で、その状態がすごく嫌だった。

仕事のこと、将来のこと、勉強したいこと、趣味のこと。
人生で大切にしたいと思っていることと実際時間を割いていることが違ったり、頭では「こんなことができたらいいのに」と妄想するのに日常生活に精一杯になって疲れて何も行動できなかったりして、いわゆる「理想と現実とのギャップ」に苦しんでいた。

理想に向かって行動できる人なんて少数派だとひがみ、多くの人はなんとか折り合いをつけて現実を生きているのだろうと安心しようとする日々。
だけど私は、私の「理想と現実」問題に対してまだうまく折り合いをつけられていない。

大人になったと思うが、まだ26歳。
「こんなはずじゃないのに」なんて思いながら生きるにはまだ先が長い。
だからといって、Twitterで意識高く「毎日朝5時に起きて勉強し、ひたすら仕事でも経験を積んで年収1000万に到達しました!」なんて発信している人たちのようにマッチョに生きられる気はしない。

じゃあどの塩梅で生きていけばいいんだと半ば投げやりな気持ちになっていたけど、案外今日みたいな過ごし方でいいのかもしれないな、と思った。

好きなことを気の向くままにやる。
買い物に行く予定を急に変更しても良いし、料理もダンスも文章も、誰かと比較するわけじゃなく自分が楽しければそれで良し。

生産的な休日だったか?と聞かれると正直分からないけれど、自分的には良い休日だったからそれで充分。

「誰かと比べないで、ありのままの自分で過ごすのが一番幸せな生き方」だなんて何十年も前からずっと言われ続けていることで、自己啓発本で目にしてもまったく響かない言葉だ。

だけど、なんの予定もない休日にただやりたいことを詰め込んで過ごしてみたら、少しその言葉を信じてもいいかと思えた。

もちろん、さっき挙げた悩みたちが今すぐ解消されるではない。
まあけど、悩みなく生きるのもそれはそれで退屈かもしれないし、きっと悩んだ分だけ人として味が出るはず。

きらきらとした「好きなことで生きていく」「ありのままの自分で生きていく」ではなく、
地に足の着いた「好きなことを"ただやる"」「悩んでる自分も認めて生きていく」を推進していきたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?