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HKK入院日記 1日目その1

2019年2月27日11:30頃
北海道ニセコアンヌプリスキー場にて事故発生

2泊3日のスキーツアーに4人で参加中の出来事でした。
毎年恒例北海道のパウダースノウと美味しいものを堪能する旅行。
今年は2年ぶり。

初日は移動日でニセコのホテルに宿泊しその翌日朝から滑る日程でした。
何本か滑った時点で2年ぶりの滑走のためか足にはすでに疲労が感じられていました。

妻🐼とゲレンデ中腹にある休憩どころで休んでさあもう一本滑ってランチだね!という感じで記念写真を撮ったりしてゴンドラ乗り場を目指し、4人で滑っていました。

恒例の記念撮影。この後の悲劇などまったく予想していませんでしたね。ランチのメニューとか夜のジンギスカンとかしか考えていませんでした。ほんの少しでも怪我に気をつけようという意識が持てていたら違ったのかもしれません。

コースが二股に別れる箇所があり、前方2人は右のコースに進もうとしていました。コースの分かれ目なので傾斜はぜんぜん急ではありません。スピードもそれほど出ているわけではありませんでした。僕を含む後方2名は左に行きたいと思っており、前を行く1人に僕は「おーい左行こうー!」と声をかけていました。

二股に別れるコースの分かれ目に1本の太い白樺?が生えており、その両脇に細い木が二本生えていました。声をかけている間に僕は左右のコース取りに迷い、分かれ目にまっすぐ進む姿勢になってしまいました。

「あ、これは木の間を通り抜けないとだな」と思ったことは覚えています。

背中を谷側に向けて滑っていたのですが、右に避けるための傾斜ではなく、真ん中の木の左側に抜けようとしたのかもしれません、木の2,3メートル手前で足の踏ん張りが効かなかったのか、雪質が違ったのかいわゆる"逆エッジ"状態になり転ける姿勢となってしまいました。少し勢いのついた背中から転ける姿勢のまま立木に衝突したのだと思います。

ぶつかる瞬間は、「あ、こりゃおえんぶつかる」と思っていました。

ドゴ!っと木に衝突し木を巻き込むようにその場に倒れました。目の前が一瞬真っ暗になるような感覚で気づいたら雪の上に横倒れていました。ボードがどうなっていたのかよく覚えていません。最初どんな体制だったのかも覚えていないです。上半身が動くことはわかり、寝返りを打とうと体をひねってうつ伏せになろうとした時、左の腰のあたりに激痛が走りました。

いわゆるギックリ腰のような痛みに近い強烈な鋭い痛みで、「あ、これ動かしたらダメなやつだ」と直感で分かるやつです。そしてその姿勢のまま僕は動けなくなりました。

そのまま起き上がらない僕の様子を心配してくれたのでしょう。
「koniさん大丈夫ですかー!」と友人が声をかけてくれました。近くを通りかかった外国人スキーヤーが英語で何か話しかけてくれていましたがよく覚えていません。英語だったし。

妻🐼が近くまで寄ってきて声をかけます。返事もやりとりもできたので頭を打ったわけではないことが伝わりました。(実は妻🐼は現在は病棟勤務ではないのですが看護師なのでした)「頭じゃないねー。よかったよかった」「動ける?」「左が無理?」「他は動く?」「出血は?」などやりとりをしている間に友人はレスキューの手配をしてくれていました。

妻🐼「笑っちゃだめだけど笑っちゃうわ。ちょっと撮っていい?」と撮影された写真↑。

冷たい雪の上で倒れたままじっとしている間は痛みは感じませんでしたが、"少しでも動くとダメだ"という意識の中、顔にずっと触れている雪が冷たかったですね。

この時はまだ打った場所が具体的にどこなのか、どんな症状なのか全く分かりません。左のお尻あたりにも痛みがあったので、左側のどこかしらを打ったことくらいしか想像できていませんでした。

30分ほど経過した時、レスキュー隊員1名がスキーを肩に担いで歩いて来てくれました。「え?なんか雪上バギーみたいなので来るんじゃないん?」と思いましたね。状況を説明するとこれは応援を呼んで移送になるということでまたしばらく待ちます。2,3名?のレスキュー隊員が到着し、いろいろと質問されました。腰回りっぽいから危険だし絶対固定で行こうと話をしていたのを覚えています。

ソリのような移送用ベッドでスキー場レスキュー待機場に移送されるのですがこの時、バックボードという板に体を固定し、その状態でソリに乗せます。ボードを背中の下に入れないといけないのですが、その時に体を浮かせる姿勢をとるため少し動かすだけで激痛が走りました。今まで感じることのないなんとも堪え難い痛みです。擬音で言うと「ピキイイイイイ」とか「ビキャアアアアア」とかそういう感じです。これがとにかくツラい。

ソリに仰向けに固定されたまま乗せられたらカバーをかけられ、何も見えない状態で滑りおりて行きます。周囲の風景も見えず、ただただ揺れる度に訪れる痛みに耐えるのみ。まだかまだかまだか。そんなことを考える中で「ああ、せっかくの時間が台無しだ」「せっかくゲレンデ泊にしたからゆっくり滑れるのに」「ランチで何食べようか楽しみだったのに」「骨折れてないといいなあ」「みんなに申し訳ないな」「今夜はジンギスカン食べるのにな」「もう午後は滑れないな」などとまだまだスーパー呑気なことを考えていました。

続く

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