コーヒーは贅沢だと思う

少し前からコーヒーにはまった。
はまったと言っても何も詳しくないし語れない。
ただ、以前は何も考えずインスタントだったところを、豆を挽くところから始めたというだけの話しだ。

とある観光地で個人経営の豆売りのお店があり、そのお店でおすすめの淹れ方を教えてもらったのだが、コーヒーは私が考えている以上に贅沢な飲み物だった。

ドリップする時に立つ泡が、いわゆる雑味らしい。これをコーヒーの中に入れてはいけないので、お湯を入れ続けて泡を浮かす。そして最後は、ドリッパーに入れたお湯を全て落とすことなく抽出を終えるのだ。
つまり、コップ半分ほどのコーヒーが無駄になる。無駄と言っても、これ(雑味)を入れてしまうと美味しくなくなるらしいので仕方ないのだが。

これを初めて知った時、私は、コーヒーは貴族の飲み物なのだと思った。

豆を収穫して、洗浄して、乾燥させて、脱穀して、煎って、挽いて。
そんな多くの工程(沢山省いているが)を経て得た粉なのに、それすら全て出し切らず、美味しいところのみを飲む。
なんて贅沢な飲み物なのだろう。
今でも、捨てる部分のコーヒーを見ると少し寂しい気持ちになる。まあ普通に捨てるのだが。
とにかく、当たり前に飲んでいたコーヒーが、こんなに大変で贅沢な飲み物だったことに驚いたのだ。

もちろん淹れ方は自由なので、自分が最も美味しいと思う方法をとったらいい。最後まで出し切るのがいいという話しも聞いたことがある。
そもそも、基本的な抽出方法もかなり多い。ブレンドや焙煎方法まで考え出すと、組み合わせは膨大になる。

そうやって試行錯誤してくれた先人たちと農家さんたちのおかげで、私は美味しいコーヒーが飲めている。
豆を挽きだしてからは、外でコーヒーを飲む機会は減った。自分で淹れる方が美味しいからだ。
しかし、たまに外で気になって買ったコーヒーが好みだと、財宝を見つけたような気分になれる。
豆が無くなるたびに、コーヒー屋さんに行ってお菓子と豆を物色するのも楽しみの一つだ。

奥が深くて、楽しみ方は無限大。
面白い飲み物だ。

今日の猫
体調、変化なし。
夜、人間が寝ている間は暇なのか、朝の猫は機嫌がいい。
起き上がる前に、横に甘えに来た猫を捕まえて抱き枕にしてみた。まどろみながらの大音量のゴロゴロ音は、幸せになれる。
すぐ逃げ出してしまうが、幸せな数分間だ。
あまりやるとストレスになるので、ごくたまにしか出来ない貴重なコミュニケーション。
ありがたい。