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バリスタをはじめた建築家が最近思うこと

「今日も良かった」と思える。

ゲストもバリスタもそう思える建築と接客は少ない。

珈琲を淹れだして早いもので4ヶ月が経った。

はじめは、ホットのドリップコーヒーやラテアートを描くことが多かったが、すっかりアイスのラテやアメリカーノが美味しい暖かな季節となった。

趣味で珈琲を淹れることすらなかった自分が、いきなりバリスタとして働き毎日珈琲による体験を作り続けて、ゲストやチームと楽しく過ごしていると思うと、少し前の自分はどう思うのだろうか(少なくとも、二十歳の頃の自分は建築家だけを目指していたので、驚くどころか意味不明で引くかもしれない)。

ずっと文章を書きたいと思っていた。

だけど、何故だか気分がのらず、時間だけが過ぎていた。

はじめてのことだらけで、体も心も疲れていたからかもしれない。

少し筆を取れるぐらいには落ち着いたと思うと、自分を褒めてあげたくもなる。

建築家は建物をまず見て、使い方や体験を想像する。

最近の自分は、珈琲の味、サービス、バリスタの表情やホスピタリティ、そして建築を見て体験を想像するようになった。

要するに、ハードからソフトを想像していたのが、ハードとソフトを合わせて想像できるようになったのだ。

できることが増えたというよりも

「人としての感度が良くなった」

そんな気がしてならない。

数字や図面、模型や3Dで空間を表現し、何よりも「考え続ける建築家という立場」は、どこまでいっても妄想の域を出ない。

だからこそ、建築家は、丁寧に設計し、技術を学ぶのだが、「バリスタという実際の体験をつくる立場」は、日々の気付きやゲストやチームからの反応が、ころころと変わる天気のように自分自身も含めて日々を楽しくさせてくれる。

不思議な出会いが日々あるような

どこかRPGのような

そんな不思議な気持ちでいつも過ごしている。

「体験」は、心地良さや喜びを共有することもできるし、日々の学びにもつながる。

「体験」から改めて、やり甲斐を見つけられたような気がしてならない。

「今日も良かった」と思える。

ゲストもバリスタもそう思える体験を今日も作り続けようと思う。

#仕事について話そう
#珈琲
#建築

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