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美味しい和えもの


はじめまして。
近藤ゆりこと申します。
2023年3月に自身2冊目となる本を出版しました。

軽やかな和えもの ~醤油・味噌・酢・みりん・お酒でつくる季節の野菜料理レシピ~

   ちなみに1冊目の本はこちらです♪

このnoteは、ちょっとニッチな「和えもの」がテーマです。
密やかに「和えものクリエイター」として活動している私ですが、私にとって和えものの魅力とは何なのか、ざっと挙げてみます。

1.分量にとらわれずに誰でも簡単に、自分好みの(家族好みの)味に作れる自由さがある。

2.旬の食材とともに季節感を楽しむことが出来るところ。

3.   「前菜」として次のお料理へのワクワク感を与えてくれたり、「箸休め」としてお料理とお料理を繋いでくれる存在である。

4.  本来の和えものは油を使用することは少なく、とてもヘルシーな副菜である。

5.   すり鉢で擂る音や菜箸でさっと和える感覚など、五感が刺激され、作っていて気持ちが良い。

6.   「混ぜる」ではなく「和える」という、和の軽やかな世界観が素敵
7. 季節の食材に限らず、冷蔵庫の余り野菜や残っている乾物などを使って、白和え、胡麻和え、酢味噌和えなどの美味しい一品に仕上げることができる。

と、まぁこんなことが挙げられます。

和えもののコツがわかると、冷蔵庫の余り野菜で
白和えや胡麻和えなど和えものを自由につくることができます。誰でも和えものクリエイターになれると言えます(なりたいかどうかは別ですが)。実に応用が効く料理なのです!

◆投稿内容について

こちらに書く内容としては
和えものレシピがメインになると思います。
普段は自身のInstagram
個人アカウント和えもの専用アカウントと2つあります)で、和えものを簡単なレシピ付き(写真のみ)でアップしていますが、noteの方により詳細な作り方や使用した調味料のこと、美味しく作るコツなどを記したいと思います。

和えものといっても
「プロの料理人が作るような和えもの」ではなく、季節野菜とお味噌やお酢など身近な調味料をベースにした

「ご家庭で誰でも簡単に手軽に作れる和えもの」

を中心に、たまに変わった調味料や食材も使った「変わり和えもの」もご紹介していきます。 

いずれにしても、今の時代、昔とはお料理にかけられる時間も変わってきていますし、普段のお料理をいかに簡単に作れるか、ということはとても重要なのだと思います。私の周りの人達も、毎日時間のない中でお料理している人がほとんどです。私の食事を「丁寧な食事」と言っていただくこともありますが、丁寧であっても面倒ではなく短時間で作ることは出来ます。
そこに最大限フィットしてくれるのが「和えもの」なのです。
お料理初心者の方、お料理苦手な方も、
身構えずに楽しんでいただければうれしいです!

◆和えものとは?

さて、皆さんは和えものというとどんなものをイメージしますか?
パッと出てくるところだと「胡麻和え」「白和え」あたりでしょうか。
「ぬた」や、さらには「卯の花和え(冬になると「雪花菜(きらず)和え」と呼び名が変わります)」などが出てきた方はかなりの上級者!

一般的に「和えもの」で調べてみると

食材1種類から複数の種類を調味料などとともに混ぜ合わせたもの

と書かれていることが多いです。
この定義からすると、
「ポテトサラダ」や「サラダ」も和えものになりますが、、、それはちょっと違うと思うのですよね。

Wikipediaではこのように書かれていました。

「和え物は、食材に調味料など味を加えるものを入れて混ぜ合わせたものをいう。広義には、なます、酢の物、浸し物なども含むが、一般的には和え衣とともに混ぜ合わせた料理をいう。」
「和え物は、一般的には何らかの下処理をした食材を和え衣とともに和えた(混ぜ合わせた)料理である。日本料理では代表的な副菜の一つである。」

(Wikipediaから引用)

基本的に「和食の副菜」のひとつであるということです。和食の和えものを具体的に挙げてみると、

胡麻和え・酢味噌和え・白和え
これらを私は3大和えものと密かに呼んでいます
(本当に「勝手に」呼んでいます)。

胡麻和え
酢味噌和え
白和え


その他、梅肉和え、海苔和え(磯辺和え)、酒粕和え(灘和え)、くるみ和えなど、さまざまな種類があります。


いずれも食材を「切る」「塩もみ」「茹でる」「蒸す」「焼く」などの下処理して、「和え衣(あえごろも)」と呼ばれるもので和えたものです。
和え衣は胡麻などの種実類、お豆腐などの豆類、野菜類、魚介類、卵類、果実類、芋類、海草類を使い、これらをそのまま、または「炒る」「擂る」「裏漉す」「おろす」などして調味料を加えたもの
になります。


「和える」という言葉は調べてみると、
お料理以外では使われていないようです。
英語で近い言葉はありますが、少なくとも日本語では「和」という日本を象徴する漢字が
当てられていることに注目しなくてはなりません。
つまり「和えもの」は日本料理特有のものだと言うことです。とは言え、韓国ナムルや中華の和えものなどもとてもおいしいですし、このnoteの中でも、たまにご紹介させていただくこともあるかと思いますが、まずは和食の和えもの。
これについて特徴を書いていきたいと思います。

1.「混ぜる」とは違う、和の文化

混ぜる」と「和える」はそもそも違います。
混ぜる」というと、クッキーやパンなどの生地をこねたり、ドレッシングをつくるときに「油と調味料」を泡だて器などで分離しないように混ぜたり、やはりしっかり混ぜるイメージで
西洋のお料理に多いのではないでしょうか。
それに対して「和える」というと、
全てを潰してひとつのものにしてしまうのではなく、それぞれの食材や和え衣がひそやかに主張しながらも全体が調和してまとまっているイメージです。
食材の食感や個性が失われてしまっていたり、
水っぽくなってしまったり、というのは見た目にも美しくないですよね。
また、菜箸やヘラなどでさっと短時間で合わせる
というところも特徴で、「和える」ということにはどこか「曖昧さ」や「空気感」があり、
しっかりと混ぜてはいけないイメージがあります。そんなところにも何とも和の文化らしさが漂っています。

2.「和えもの」の存在とは?

「存在」という言葉が正しいかどうかわかりませんが。笑
和えものは前菜として、次に出てくるお料理が楽しみになるような期待がふくらむものであります。
また、お料理とお料理をつなぐ「箸休め」的な存在でもあります。
それは家庭の和食の中でも和えものがそんな存在であれば良いなぁ、と私は思っています。
お味の点でも煮物や汁もののような噛みしめる味わいとは異なり、どこか軽やかな味わい。

大鉢などに盛り付けて大勢で取り分ける場合もありますが、基本的には小鉢や小さめのうつわに装うことが多く、主張の強いものではありません。
でも存在することで食卓全体を豊かにしてくれる、そんな名脇役的な軽やかさがあります。

また、和えものには「つくる楽しさ・心地良さ」があると思っています。
先程も少し触れましたが、和えものをつくる際にすり鉢とすりこぎで擂る感覚(子供の頃、祖母のお手伝いをよくさせられたものです)や菜箸でさっと和える軽やかな感覚、器にふわっと盛り付ける感覚、どれもとても心地の良いものです。
和えものをつくるということは、料理することの楽しさを思い起こしてくれるのだと思っています。
ちなみに、私は和えもののレシピに限り、分量の記載はしません。それは、和えものは五感をフルに使って自由につくるお料理だと思うからです。
面倒だから、ではありませんよ!笑
このことについては、こちらの記事に書いています。

3.和えものは「季節感」が大切

そんな和えものですが、
日本料理の世界では基本的に季節の野菜や魚介を用いてつくられ、それをまた季節が感じられるような繊細なあしらいなどと共に盛り付けられる美しいお料理です。
春には「たけのこの木の芽和え」、
夏には「はもの梅肉和え」などありますね。
白和えもすり鉢で擂ったお豆腐をきちんと裏漉ししたり、すりつぶした枝豆もきちんと裏漉しをしてのど越しのよいようにしたりと、ひと手間もふた手間もかけられているのですよね。
でも家庭では繊細にお料理つくるのって時間的にもなかなか難しい。。。

毎日作っても負担にならないよう、省けるところは省いていきましょう。
家庭ではそんなに繊細に作る必要はありません!
でも「季節感」。これはある程度大切にしていく必要がある、と思っています。
是非、季節感のある和えものを楽しみましょう。

長くなりましたが、これから「魅力的な和えものの世界」をお伝えしていければと思います。どうぞよろしくお願いします♪

近藤ゆりこ

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