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『日本人なら知っておきたい日本の伝統文化』(ちくま新書)の見本が届きました

 『日本人なら知っておきたい日本の伝統文化』(ちくま新書)の見本が届きました。
 書店に並ぶのは、12月7日頃です。

(個人的には、この帯はとても気に入っています。帯の写真は、私が葉山から撮ったもので、本の内容とも密接に関わっているのですが、本にははいっていません。帯がついているのは、発売後しばらくのあいだで、出版社に返品されて再出荷する際には取られてしまうので、もしこの表紙と帯を書店で見かけて、手にとってくださり、興味をもっていただけたら、帯がついている間にお買い上げいただけると、大変うれしく思います)

 本書は、「あとがき」にも書いたように、大学の共通科目(昔の一般教養)でお話ししてきた内容をまとめたものです。以前から執筆の提案をいただいていたのですが、コロナの流行でバタバタして延び延びになっていました。今年の春、本にすることを念頭において授業をして、それをまとめました。(ちなみに、後期は伝統仏教―釈尊・ナーガールジュナ・空海・道元・親鸞についてお話ししています。)
 一般書として書いているので、著者の執筆意図、ねらいについては、最後のところで簡単に触れました(194~196頁あたり。カール・レーヴィットの一階と二階の間に階段のない家の話)。
 多くの人は、日本の伝統というと、自分とは関係ない、よくもわるくも高尚で近づきがたいものだと思っているのではないかと思います。私たちは普段の生活で、いちいち理由を考えず、多くのことを「当たり前」のこととしておこなっていますが、その「当たり前」がどこから来ているかというと、日本の伝統です。しかし、学校教育や近代の学問は、明治時代に近代化のため西洋の知識や技術を取り入れる目的で設けられたもので、今の日本では、そのことを学ぶ機会がありません。
 授業を受けた学生がどう感じたかはわかりませんが、私としては、このことは知っておいた方がいい、知ってもらいたいと思ってお話ししてきました。

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