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見田宗介『白いお城と花咲く野原:現代日本の思想の全景』の復刊ー見田ゼミの思い出

(写真は2022年12月11日の見田宗介先生を偲ぶ会)

 見田宗介先生(1937-2022。筆名・真木悠介)の『白いお城と花咲く野原: 現代日本の思想の全景』が復刊されたそうです。
 1985〜1986年の『朝日新聞』論壇時評をまとめたもので、旧来の論壇が力を失い、新しい流れが始まる過程をライブで描いた、稀有な論でした。
 当時、大学の見田ゼミに参加していて、書かれた内容やその裏話もお聞きしていて、『朝日新聞』の記事も毎月読んでいました(いくつか単行本化の際にカットされた回があります)。

 当時、見田先生が集中して取り組まれていたのは、宮沢賢治で、それは『宮沢賢治: 存在の祭りの中へ』にまとめられました。

 先生がご自分の問題関心を熱をこめて語り、それに惹かれた人が集まってきて、問題関心をシェアし合う、充実した学生生活を送ることができました。

 今の大学は、そういうことのできる場所ではなくなってしまっていて、その末端に関わっている一人として、残念に、また申し訳なく思っています。

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