【ACL GL 2節】 横浜F・マリノスvsシドニーFC マッチレビュー
1.はじめに
前節アウェイで勝ち点3を取り、勢いに乗るマリノス。今節はホームでオーストラリア王者との対戦。2連勝を飾りGL突破により近づきたい。
今回は本当に緩く書きます。
2.スタメン
■マリノス
前節と変わらず
■シドニー
4-4-2
3.ビルドアップ
前線が2枚のシドニーに対してマリノスは最終ラインを3枚にして3vs2の数的有利の状況を作る。(図では扇原が降りているがティーラトン、喜田、松原が降りてくることもある)
シドニーの右SHはボールを持っている伊藤に積極的にプレスに来ないので伊藤はボールを前に運ぶことができる。伊藤から幅をとっている遠藤にパスが入る。
この時、相手SBは遠藤のボールを奪いにいくがCBはSBの空けたスペースを埋める意識が低かった。そこにすかさず、マルコスやティーラトンがニアゾーンラン。これについてくるのはボランチの選手だがマリノスの選手が走り始めた時点で距離がだいぶ離れているので間に合わず。
この形でマリノスは開始早々にゴール前まで侵入する。
4.扇原・マルコスの関係性 即時奪回
前回のレビューで扇原が高い位置を取るようになったと書いたが、今節はマルコスとの関係性が良くなり、扇原が高い位置を取ることによってボールを奪われた後の即時奪回が可能になりマリノスの攻撃が長い時間続いた。
昨季はSB、WG、マルコスorボランチの3人でサイドを攻略することが多かったがここにもう1人が加わり4人で攻略するようになった。
扇原がニアゾーンランをして相手ボランチを引きつける。相手ボランチが空けたスペースをマルコスが使う。(逆のパターンもある)
足元が上手な二人がここでボールを受けることでそのままゴール前へのクロス、または遠藤から相手ボランチが空けたスペースでパスをもらいニアゾーンランしている選手にダイレクトでパスを出すことで得点チャンスを作ることが可能になる。
サイドに4枚、人をかけることは守備時にも効果的に働く。
■3人の場合
相手守備を攻略するために3人が流動的に動くためSBもかなり高い位置まで上がる。そこでボールを失うとロングボール1本でSB裏を狙われてしまう。(正確にいうとボールを失った直後にボールホルダーにプレスに行くのが遅れるから相手にロングボールを蹴る余裕を与えてしまう)
畠中、チアゴの質でカバーしていたが相手がフッキレベルになってくると危険だ。
■4人の場合
4人の場合だとSBのポジションにいる人はそこまで高い位置をとらなくて良いのでSB裏にボールを蹴られてもSBとCB、裏に抜けた相手選手と2対1の数的有利の状況になる。ただ、2対1の状況でも相手の質次第で案外二人くらいどうにかなってしまう。
そこでマリノスは「じゃあロングボールを蹴らせなきゃ良いじゃん」と根本から潰していくことを考えている。
ボールを失った瞬間に近くにいる他の選手がボールを奪った選手にプレスし、周りの選手が一気に圧縮することでボールの逃げ口を塞ぎボールを即時奪回。
こうしてマリノスはボールを失ってもすぐに取り返すことができ、終始敵を圧倒することができた。
5.シドニーの攻撃
SHが内側に入りマリノスのSBを引きつける。広大なスペースができたサイドにSBが侵入。そこへロングボールが通るが仲川がプレスバックやオフサイドなどでシュートまで持ち込むことは中々できなかった。
6.最後に
今後の攻撃のバリエーションで武器になるであろうシーンがあった。
2点目のシーン。
マリノスの攻撃といえばサイドからの印象が強いがこの場面は中央からの素晴らしい攻撃だった。
SBの松原が幅を取り相手の2列目を横に広げ降りてきたオナイウに相手CBが食いつく。食いついて空いたCBの裏を仲川が取り、そこにチアゴからの縦パスを受けゴール。
かなり久しぶりに感じる中央を割っての得点。昨季の開幕戦・ガンバ相手に決めた中央からも崩せるんかいと驚かされ、ワクワクしたあの得点と重なるものを感じた。
オナイウも降りてボールを受けるようにはなってきたが、フリーで前を向けるのにボールを下げる場面が見られた。ここで前を向けるようになればリーグ戦でもファーストチョイスになる可能性も十分あると感じた。
今節のMOM:文句なしのエリキ
随所で相手を混乱させてくれました。危うく味方も騙されそうに... いや騙されたわ
そりゃあんな笑顔で「今までで1番調子が良い」なんて言われたら騙されるわ!
試合結果
横浜F・マリノス 4-0 シドニーFC
得点
マリノス:12' オナイウ阿道
31' 仲川輝人
33' 仲川輝人
51' オナイウ阿道