子離れできない70代と万年反抗期の40代
ずっと実母が苦手だった。
仲が悪いわけではない。喧嘩もそんなにしない。仕事で帰りが遅くなる私は、毎晩の夕食を実母に作ってもらっていたし、朝食後の片付けも、家に来てもらってやってもらっていた。(家政婦かよ)
おかげさまで、シングルマザーではあるが何不自由なく仕事ができたし、子どもの許しが出れば遊びに出かけることもできた。感謝してもしきれないぐらいだ。
が!!!!!!
そんな日々を5年ほど続けていただろうか。最近、そんな実母を「うっとうしい」と思うことが多くなっていた気がする。
というのも、私が一昨年に購入した念願のマイホーム(山小屋)に、当たり前のように自分の荷物をしこたま置き、当たり前のように毎週やってきて(実母は車の運転ができないのでもちろん駅まで送迎)、当たり前のようにインテリアやカーテンの色にまで口出しをして、私が庭木の剪定をしたら「自然のままがいいのに」と文句をいい、売主が居抜きでおいていった家具に「ダサい」とケチをつけて捨てさせ、最寄りの温泉に行こうとすると「あそこは湯あたりがピリピリするからいやだ。もっと遠くの良い温泉に行こう」と文句を言い、今すぐ捨てたくなるようなダサいベランダスリッパを勝手に購入して設置し、挙句の果ては「今度お友達を連れて泊りに行くからよろしく」みたいなことまで言い出す始末。
実母って、娘のものを我が物顔で私物化する生き物なんですか?私もあと30年たったらそうなるんですか?と思うとぞっとしてしまった。(ネットに助けを求めたところ、我が物顔の実母はどうやら少なくない模様)
もちろん、山小屋に来るたびに、ガソリン代や食事代は出してくれていたけれど、なんか、「お金の援助してあげれば何してもいいでしょ」みたいな感覚が、ものすごく嫌で、実は今年の正月に大爆発を起こし、以来口きいてません。
私の実母は、結婚して以来専業主婦で、(これは偏見になるのかもしれないけれど・・・)専業主婦って夫という他人の財布で自由に生活しているから、よけい「金さえ払えば私の自由。口出しし放題」ぐらいに思ってんのかな。
もちろん私も、経済的に助けられていた部分は大きいけれど、結局実母から出てくるお金は実父が稼いだ金であり、しかも別にお金貰わなくても十分生活できるし特に苦しくもないので、押しつけを感じてしまったのである。
ただ、やっぱり長年の恩のある実母を拒絶するのにはものすごい罪悪感とパワーが必要で、いまだに少し心が痛む。(しかも私の実母は、少し責めると「郵便ポストが赤いのも電信柱が高いのも、空がこんなに青いのも全部私のせいなんです」みたいになる面倒な女)
仲良くしたくないわけではないけれど、もうきっと仲良くはできないなという絶望感。
おばあちゃんが大好きな娘にも、なんだか微妙な気持ちにさせてしまったかもしれない。
未だに考えると泣きそうになるけれど、これがきっと親離れ?浸食されて干渉されるのを我慢し続けるのがいいか、この痛みに耐えるのがいいかと問われたら、悲しいかな、私は痛みに耐えるほうを選んでしまう。
過干渉がつらい、と実母には伝えた。しかし、おそらく「わがまま娘が、援助してもらっているくせに何を言っているんだ」ぐらいに思っている。
この件依頼、私は一人で夕食を作り、1人で食べている(娘は祖父母宅に毎日行って、祖父母と夕食をとっている)。手間は増えたけれど、全然大変だとは思わないし、イライラすることも減った。
たまに「曜日限定でも食べにくる?」みたいなことを聞かれるが、私の人生を何だと思っているんだろう。有難迷惑ってこれだ。
ダメな娘なような気がしてしまうが、夫(実父)とうまくいっていない実母だから、こっちが少しでも気を許せばまたどんどん浸食してくる。それだけは、どんなに悲しくてももう耐えられない。
離婚したばかりの頃、仲のよさそうな夫婦をみては心が悲鳴を上げていた。それと同じように、仲のよさそうな親子をみると胸が痛くなるけれど、もしかしたら彼女たちも私たちと同じように、痛みを抱えた人々なのかもしれない。
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