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「高齢の親から通帳を管理してほしい、と言われたけど・・・②」 

はじめに

高齢のお父さんお母さんの口座を管理していた場合に、相続開始後にトラブルに巻き込まれてしまったケースをご紹介しました。
今回、考えられる事前の対応方法についてお話します。

ご本人の状態を診断してもらう

まず通帳を預かる時点で、ご両親自身が認知症をり患しているか、り患している場合にはどの程度の判断能力が残っているのかについて、かかりつけの医師に診断をしてもらうことをお勧めします。

認知症などにり患していない場合

ご本人との間で通帳管理の覚書などを取り交わしておくことや、あるいは「財産管理契約」を取り交わしておくことが考えられます。

いずれもどのように財産を管理するのか、どのような支出が許されて、どのような支出が許されないかを明確にしておくことが考えられます。
その上で収支をきちんと記録しておくこと、領収証などを残しておくことが大切です。

また今後、認知症にり患してしまった場合に備えて、「任意後見契約」を締結しておき、後見人に指名しておいてもらうことも考えられます。

認知症などをり患しており、判断能力に疑いがある場合

このような場合には、上記の対応だけではトラブルが起きてしまう可能性があります。例えば、財産管理契約を結んだ時点では、それを理解できるだけの能力が残されていなかったから無効だ、などと指摘され、トラブルに発展する可能性もあります。

この場合には、いわゆる「成年後見制度」を利用することが考えられます。
家庭裁判所を通じて財産を管理する人を選んでもらうことで、法律上の根拠を持ってご本人の財産を管理することができます。

ただ、この成年後見制度を利用する場合、後見人などに誰が選ばれるかは、家庭裁判所の判断に委ねられます。
そのため、ご本人の預貯金が多かったり、親族間で対立が生じているような場合には、全く第三者の弁護士が後見人に選ばれる、という事態も生じます。

財産管理という観点からは問題はないのですが、ご両親の財産を第三者が管理をすることに抵抗がある方も多くいらっしゃるので、この点については注意が必要です。

今回のまとめ

いかがだったでしょうか?

今回は少し専門的な話が多くなってしまい、申し訳ありません。
ここ数年で使途不明金問題は非常に増えたという実感があります。
この問題が生じてしまうと解決までに時間がかかる上、より感情的な対立を生じさせてしまうことがあります。

ただ事前に準備しておけばトラブル発生を予防することができます。
早めに対策に着手した方ができることも多くなりますので、これを機にご検討ください!

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