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忘れそうだから振付の仕方書いとくわ


 最近自分でも忘れそうになるんですが、

大学時代までは振付をやったりなんかしてたんです。

ミュージカルとか、合唱曲とか、もちろん普通にダンス作品とか。

でも本当に最近は、自分で振付をする機会が全く無いので、

自分がどんな風に振付をしてたのか大分忘れかけています。

完全に忘れ去ってしまう前に、出来る限り文字で残しておこうと思います。

なのでこれは自分用です。自己満足です。


 私が振付をするに当たって一番大事にしていることは、

「曲に嘘をつかないこと」です。

ちょっと「」つけ、もとい格好つけましたが、要するにリズムとメロディー、歌詞に忠実に振りをつくるということです。

ミュージカルの曲は歌がメインです。感情が盛り上がってセリフがだんだん歌になっていきます。その場合大事なのは歌詞とメロディーなので、体の動きもそれに沿わせます。

単純というか、当たり前といえば当たり前のことなのですが、これを徹底すると演者、つまり踊る方が覚えやすいんですよね。特に私は子供ミュージカルの振付をやっていたので、子供達が歌詞と振付を同時に覚えられるように、歌詞とメロディーに合わせるというのは徹底していました。

合唱曲になると、そこにパート分けという概念が加わってきます。

女声2部ならソプラノとアルト、女声3部ならプラスでメゾソプラノというように分かれて、それぞれ歌うタイミングもメロディーも違ってきます。

同時に同じリズムで違う音程でハモるのなら同じ振付でユニゾンでも違和感は無いのですが、例えばカノンだったり、全然違うリズムで同時に歌っていたりすると、やっぱり振付も分けないと、観客も演者も違和感がすさまじいと思います。

そこを上手く分けるために、合唱曲を振付けるときは基本、楽譜とにらめっこでした。ダンス仲間には「振付けるとき楽譜見てる人初めて見た」と言われて笑いましたが、各パートのメロディーとリズムを追うには、やっぱり楽譜を見るのが一番手っ取り早かったのです。

じゃあ歌詞のないインスト曲はどうやって振付けてたのかというと、基本的には同じでリズムとメロディーに忠実に付け、インストの場合は特にドラムなどのパーカスの音をよく拾うようにしていました。

人って音楽聞くとそれに合わせて体を揺らしますが、私はもうそれはダンスだと思っているので、インストの場合は小難しいことは考えず、そのノリの延長線上を具体化していくという作業になります。

インスト曲は歌詞がない分、私の場合「モチーフ」「テーマ」「ストーリー」が必要でした。その曲を聴いたときの第一印象でそれらのどれかを掴んで、具体化していきます。


さて、ここまで偉そうにつらつらと書いてきましたが、こういうことを意識しながら振りを作っていたのは大学の最後の方ぐらいだけで、それ以前はこんなこと考えていませんでした。

それこそ、もう曲を聴いた瞬間に「これしかない」という振りが浮かんで、それを煮詰めていくということしかしていませんでした。

いつしか、曲を聴いても身体が動かなくなり、イメージが沸き辛くなり、歌詞や音から必死にヒントを探し、それを膨らませていくようになりました。

現在は、振付をしようともしていないので、どこまで感覚が残っているか分かりませんが、きっとさらに、鈍っているのではないかと思います。

振付という能力は、それを仕事にしない限り、社会生活において必要の無い能力なのかもしれませんが、社会生活に必要な能力と引き換えに徐々に失っていくのは、それなりに恐ろしいなと思います。

身体の感覚はどんどん失われていくでしょうから、せめて言語として残しておいて、何年後かの自分にとってのヒントになればいいなと思い、書き留めました。

皆さんも、あんまり深く考えず、好きな曲で好きに体を揺らしてください。

それだけで、というより、それが、それこそがダンスだと私は思います。



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