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蝶のように遊び、泥のように眠る 24/01/12

兄とラーメンを食べて、友達とお茶を飲んで、流れでハローワークに行った。夕方にはテトリスをしながら配信をして、疲れて眠った。

朝から思い出してみる。
午前4時頃起きて、11日の日記を半分泣きながら4時間かけて書いた。

終わると兄が戸を開けて暇そうにこちらを覗いてきた。コイツ仕事は???と思うが、気まぐれで体調不良になり休むことがあるので、あまり気にしてなかった。
親がそれを過剰に気にする傾向がある(親として当然)から、弟としては何も気にしない風に接しようという魂胆だ。

ちなみに書いている土曜の今も、何故か僕の部屋のパソコンの隣にあるテレビモニターにスマホを接続し音ゲーの配信大会?を見ている。

家族全員僕が日記を書いていることは知っているだろうし、兄は兄でそれに興味がさほどなさそうだ。さらけ出すように隣で書いていても、「見たとて」という気持ちがある。

今も左斜め後ろにいるし面と向かって言えないことも書くけど、この日記の最後の一文まで兄が後ろに居ながら書いている。最後までその状態だと思いながら見てくれていい。変なの。

昨日の話に戻す。
カードゲームがしたいらしいから、布団を畳んで座り、Xをしながら猫をじゃらして待った。猫を動画に撮ったり、カードゲームの昔話をしながらずっと待つ。
趣味が合っている部分だけでしか、会話が面白く進んでいかない。仲は良いが円滑なコミュニケーションをしているとは言い難い。

そんなこんなで待っていると、デッキケースを持ってきた兄もSNSをしながら座して待っていた。何が起きてる??

この人は自己主張をするというのが極端に苦手で、主張しようとすると立ち上がってそわそわする。
僕よりも常人の度合いが少なく、パッと見で生きづらそうなのはどう考えても兄の方だ。尊厳に関わるし兄と共通の知り合いもそこそこ居るから書きづらいけど、「生まれつき僕よりずっと生きづらい」と書けば伝わるだろうか。

カードゲームをするって話になったのも、兄が「なんか暇だわ」とソワソワしているのに対して僕が「エボルヴ(カードゲーム)する?」と言ったからだ。

声が低く重厚感があるから浮足立った印象を受けないが、身体がずっと物理的に浮足立っている。
こっちも暇だからいいものの、こんな思慮深い弟にまで主張ができないのはキツいだろう。

こんな感じで初期のメンタリストDaigoみたいに「スマブラする?」「どっか行く?」と聞いて反応を確かめる時間が生じることがあって、もうこっちもそれに慣れている。

こういうことを言っちゃ本当に悪いんだけど、主張が苦手な人の意図を汲むこと自体はできるから、発達障害の支援療養や教育もできなくはないんじゃないかと思っている。難しいコミュニケーションもそれはそれでゲームみたいで楽しい。
「慣れてる」というのが正しくて、別に仕事にするほどやりたくはない。そもそも自分が元々は療育される側にあたるし。

誰にでも分け隔てなく接したいっていう自己愛を保つための善人性と、血の繋がった兄のことくらいはわかりたいという優しさを被った我儘さがそうさせる。

え、なんか難しいこと言ってない????

兄はSNSを見ながら「カードショップで1000円購入ごとに貰えるショップ宝くじ券の当選確認」や「このシャドバボイスの元ネタ誰だっけ」「あのデッキのカードを差し替えしなきゃいけない」みたいな話をしたあと、デッキケースを持って1プレイもせずに退散した。

どうやらこっちが「このデッキが使いたい」と仕掛ける必要があったらしく、誘いはしたけど僕も本心でカードゲームがやりたいわけではなかったのでそこまでいけなかった。

兄としては「本心でやりたいわけじゃなさそうだし、どうしよう」「暇さえ潰せればどっちでもいい」という気持ちだろう。

ラブホテルに誘ったのに何もされない女の人ってこんな感じだろうかと思った。もどかしいというか、押してまでやりたいわけじゃないんか。例えに使った割に、漫画で見るだけで実在する現象なのかわからないし、兄弟に対してラブホで例えるのも気色悪いけど。

一番最近兄について書いたのはこれ。

一旦部屋にひとりでネットを見る時間があって、昼ご飯は何を食べようと思ったあたりで兄が「ご飯食べに行かん?」とまた顔を覗かせた。

食欲に負けて今度は主張できたみたいだ。自分の気持ちがわからなくても、食欲は直接的でわかるもんな。兄への感情には同情と苛立ちと軽蔑と親愛と、色々混ざっている気がする。

「何食いに行く?」「なんかのついで?」「徒歩?バス?」とヒアリングすると、「なにも決めてない、あとで病院に行くからそっち方面に行くついで」と答えた。

とりあえず外に出て、その方面に向かうバスに乗った。
ある程度飲食店の多い町で降り、有名だけど行ったことのない中華そば屋に向かった。
これを提案したのも僕で、手取り足取り感が強いのに元々誘われたのはこっちだから変な気持ちになる。

美味しかった。有名店って結局美味しいんだよな……。飽きの来ない出汁感の強い旨味がたまらなかった。

店を出て、病院の予約まで時間が空くらしい兄に予定を聞く。
「このあと解散?単独行動?なんか行きたいとこある?」と問いただすようにコミュニケーションを続けると、おもむろに「じゃあ俺病院向かうから、じゃあね」と振り向きもせず帰っていった。なんじゃ、わし接待させられたんか?

ハローワークへの距離が近いから、近場を散策したあと向かうことにした。

途中で「隣町のお茶屋でおしるこ無料イベント!(意訳)」という看板が立てかけてあって、早速向かった。
この金土日だけのイベントらしく、散歩と日記が趣味の無職として行かないわけにはいかない。
話のネタ中のネタ。でももうだいぶ書いてるような。

この日に行った緑茶屋さんと同じ場所だった。

そこから歩いて3分程度の場所に中学の頃の同級生が住んでいて、新年初挨拶と言わんばかりに誘いのLINEを送った。

「近くにいるけど暇?」「飯?」「お茶」「お茶?」といった返答で、経緯を説明して気になったらしい彼と合流することになった。
予定を立てるのが苦手な人間ばかりとつるむから、こういう時は逆に動きやすい。

この日記に出てくるのと同じ人。

前髪を上げても下げてもその印象の違いに気づかない人間だから、やはり買い替えたメガネの違いにも気づかなかった。
「ああ、なんか違うと思った」と言っていて、関わる人間は見た目に鈍い方がありがたいな、と感じた。

聴いた話によると、内定を受けた会社の対面式とご飯会が16時かららしい。
その時の時刻、13時40分なのによく乗ってくれたな。

「顔も洗わずに出てきた」という無駄に顔立ちのいい彼の肌は極端に荒れていた。
内定を貰えたことを形式上祝ったり、就活を続けたくなかったという彼の話を聞いたり。そういえば大卒予定の22歳ってそんな時期か。

気を遣わず会話のテンポが合うことに、再会するたび不思議な気持ちにさせられる。
友達ってそういうものだろうけど、この人は特別何気なく合う。

いつも意味を過剰に汲み取っているからか、深く気にせず気にされず考え方が合うのがかなり好きだ。
同性が恋愛対象になる人間じゃなくて逆に助かった、みたいな気持ちと、そんなわけなくね、という気持ちと、異性であったとしてもだろ、という気持ちと色々ある。そのまま書いておく。

一度行ったことのあった駅近くの緑茶屋に向かい、近況や会社のことを聞いた。

店主と思わしき中年の女性はフランクそうで、「なんかお金出してお茶飲んだほうがいいですか!?」とおどけて聞くと「ああ大丈夫大丈夫!」「お餅二個くらいでいい?」と返してくれた。親戚の家に来た気持ちになった。

その友達が入社するらしい会社は、技術職の未経験対象で面接時に「人柄が良さそうだったから」と選ばれたらしい。
同期が自分含め5人の予定の、小さめの会社だという。自分が辞めたのも小さい会社だっただけに、ちょっと心配ではある。

「大学時代に力を入れたことは?」に対して「いやぁ……なんですかねぇ……何もしてないかもしれないです……。」と答えたのが功を奏したらしい。ひとしきり笑ったしそんなの答えるヤツがいるか、と話を続けた。それが功を奏する会社なら心配しなくていいのかな。

曰く「サンプルになるような就活得意な真人間が身の回りにいなかった」「友達が全員同じようなちゃらんぽらんでマジでわからなかった」らしい。そうだろうね。

お店がこのためにわざわざ炊いたらしい小豆と小ぶりなお餅のぜんざいと、給湯ポットに入ったこだわりのほうじ茶。安心する美味しさだった。いつも既製品ばかりで、炊いた小豆なんて久しぶりに食べた。

学生みたいな風貌の男2人が店主も気になったようで「美味しい?」と聞かれ、友達とハモるように美味しいですと返した。
「お住まいはここらへん?」と聞く店主に「コイ……この人が中学の同級生で、○○中出身で新年初で」と答える間に「コイツて」と指摘し笑ってくれる友人、ありがたすぎた。

飲食バイトの経験がある彼と職場の愚痴を話して、初詣や家族関係の話をして、結局お金を使わず退店した。途中で餅が一個ずつ追加された。優し。

席を離れる時、使い捨ての容器と紙コップと割りばしを2人分重ねて「このままでいいかな」と言った彼を見て「人柄採用過ぎるって」と茶化すと嬉しそうに笑った。
「たぶんあと半年くらい人柄採用のことイジるかも……」とも言った。実は嫌だったら申し訳ないけど、考え過ぎか。

お茶屋さんだけに。茶化すの語源の話してる?

蛇足。

会話中に近況を聞かれ、
「9月半ばにやめて、失職が9月末扱いになってて。10月くらいに役所手続きして、そのあと免許取って、11月に失業保険の説明会あって、昨日認定があってお金がおりた」と答えた。
経緯を自分でかみ砕くあいだに、客観的には意外と悪くない経過だと理解した。

3か月無職無収入ということに最近はかなり嫌気がさしつつあるけど、そこまで悲観的になることじゃないな。

性格的にいつか自分も辞めるかもしれないし、とハローワークについても彼は聴いてきた。

「思ったよりめちゃめちゃ人がいる」「復職の支援施設だから一応でも姿勢を見せないとお金が出ない」「ハローワークに載ってない求人も、逆にハローワークにしかない求人もある」と当たり前に近い制度や雰囲気について答えた。
説明できる自分に驚いたし、日記を書いてから人への説明が上手くなってる気がする。喋る量も多くなってる気がするが、そこへの言及をする友人じゃないからわからない。

相手が16時の予定に間に合わないとマズいのはわかりきってたから、交差点のあたりでサッと解散した。

その後はハローワークに向かった。
求人用パソコン使用制限の30分間、ずっと心がなびかず無風のままハンコを貰って帰った。気力は回復していたけど、自分がやりたい仕事はハローワーク上の求人で見つからなさそうだ。

キータイピングは自信満々にできるからデータ入力でも……みたいな気持ちや、九州出身クリエイターへのインタビュー支援WEBメディアの求人があることだけ頭の片隅に置いた。

せっかく接客が全然向いてないことを理解したからには、再度苦手に手を出して本格的に心を壊したくない。

自分で稼いだお金を使える楽しさはわかっているが、使う部分だけが楽しくなっても楽しさの総量は大きく増えないだろう。死にたくはない、楽しく生きたい、でも合うことが少ない。みんなそんなもんだと思う。

世の先人たちが云うように、少しでもやりがいを見つけられる職に就きたい。
慎重になっている。おみくじも全体的に焦るなとしか書いてなかったし。

こういうことを考え始めると沈むので、忘れるようにテトリスを遊んで配信した。
見たかったら見れるけど、日記とテンションが違いすぎるから我ながら違和感がある。

この熱量で書いているだけあって一日のカロリーが高かったから、泥のように眠った。楽しい一日ではあったんだけどね。

蝶のように遊び、泥のように眠る。

配信でも言ったことだけど、無意識で将来ジェネレーションギャップの生じる引用をしているから、令和生まれが青年くらいになった時代がもう怖い。
「蝶のように舞い、蜂のように刺す」ってモハメドアリの代名詞のサンプリング、令和生まれに解説できるだろうか。

まあ僕も元々知ってた言葉じゃないし、その時面白がって覚えてくれる幼い僕みたいなのはどんな時代でもいるか。

頑張るぜ✌️

こなまるでした。

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