オセロ

オセロ

第1話

 オセロで勝負なさーい」
 俺は彼女を見た。
 整った顔立ち。
 胸は控えめですらっとしていて俺好みだった。
 だが、俺は……。
「断る」
 断った。
 
 彼女は腕組みをし。
「例えば負けたらなんでもすると言ったら勝負受ける?」
 俺は『なんでもする』という言葉を聞いてピクッと動いた。 
「本当になんでもするのか?」
「なんでもするわ」
 俺は再び『なんでもする』と聞いて彼女の色々な姿を想像した。
 
 彼女は手で胸を隠し。
「今いやらしいこと想像したでしょ」
 はい、いやらしいこと想像しました。
 俺は開き直り。
「ああ、したよ。なんでもするって言ったのそっちじゃないか」
 彼女はプルプル振るえた。
「ええ言いました。言いましたよ。なんでもするって。で受けるの?」
「受ける」
 彼女はニコッと笑った。
「受けるって言ったわね。貴方も当然負けたら、なんでもしてもらうわよ」
「俺はなんでもするなんて言ってないぞ」
「逃げるの?」
 逃げる俺が? オセロで? ありえない。
「分かったよ。負けたらなんでもするよ」

 こうしてオセロ勝負が始まった。

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