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戦略コンサル転職体験記②

前回の続き


~施策立案~

筆:「じゃぁ続いて売上向上施策を考えたいと思います。店舗の売り上げはざっくりと①客単価向上と②客数向上の2つがあります。

またそれぞれ具体的な施策としては、

①客単価向上
 1.関連商品の販売
 2.マッサージなどのアフターサービス

②客数向上
 1.既存客の利用回数向上
 2.新規客の取り込み が考えられます。」

うんうん、とうなずく面接官。

筆:「②の2新規客の取り込みでは、さらにターゲット層を絞り込むことが重要です。現状はいまは20〜40代の女性が中心なので、それ以外のセグメントとしてはⒶ高齢層の取り込み、B10代の取り込み、Ⓒ海外からの観光ツアーの一環に組み込み、Ⓓ男性客の取り込みが候補群として考えられると思います。以上です。」

短時間の割には施策をそれなりに出し切れたと思い、手ごたえを感じながらクロージング。

それをうんうんとうなずく聞いてる面接官。ひとしきり自分の回答が終わるのを待って一言こういいました

面:「で、どれが一番効果あるんですか?」


・・・えっ、どれが??えっちょっと待って、課題を分解して施策を出すことがゴールなんちゃうん?

そうなんです。ケース面接にありがちなパターン。どうしても網羅感、構造化を意識し、「それって抜けてる観点ありません?」を防ぐために細分化しがちになります。たしかに、ざっくりと「男性向けにクーポン配ればいいと思います」だけだと困ってしまいますが、施策ごとに実行するとどれぐらいの効果があるのか、つまりどれから優先的に行うべきなのかを見極めることが大事なるんです。

実際のビジネスでもありとあらゆるシチュエーションや打ち手を考えては消して考えてはを繰り返していき、最終的に最も有効そうな打ち手を選んで実行していくことになります。もちろん全部の施策を実行できれば良いですが、そもそもリソース(時間とお金と人)には限りがありますし、また施策間が効果がカニバってしまうことも多々あります。その時に、大事になるのが「選択軸」です。どれが最も効果的なのかを定量的かつ論理的に周囲を納得させていくことがコンサルタントの仕事です。つまり「アイデアを出す」ことよりも「これが一番良いアイデアだ」と絞り込む「ロジックを作りこむ」ことにバリューがあります。

話を元に戻すと、今回のケースでは施策を多角的に出すところまではよかったのですが、その先の優先度付けロジックが作れてなかったので、上記のご指摘をいただいてしまったということになります。くどいようですが、多角的に施策(アイデア)を出すことは最も有効な施策を絞り込む前工程で、そのあとに、優先度付けをしてⒶ~Ⓓのうちどれが一番かを絞り込む後工程とセットになることで、初めて「施策」を提示したといえます。

ただまぁ実際にそこまでをケース面接の短時間のうちに、パーフェクトに求められることはないので、突っ込まれたときに返せるように用意しておければとりあえずは大丈夫です。

ちなみに「優先度は?」と突っ込まれた私はこう返しました。

筆:「客数の向上だと思います。正直、新規客はどれぐらいになるかが読みきれないところがあるので、既存客の利用頻度向上が最も確実かつ効果があるといえるのではないでしょうか。」

面:「なんとなくそれが正解な気がしますね。既存客の中でも毎月利用する人、年一回利用する人(記念日とか)がいると思います。ポイントになってくるのは、なにがボトルネックになって使う頻度が少なくなってるのか、ということです。おそらく毎月利用するということのメンドくささなどがボトルネックになっていると考えられるのではないでしょうか。

ありがとうございます。面接は以上です。」

という感じで終わりました。結果的には無事に合格しており、次に進むことができましたが、いろいろと気づきがある面接だったなと振り返っても感じます。

いかがでしたでしょうか?戦略ファームの面接体験は別記事のほうにも書いておりますので、よろしければそちらもご覧くださいませ。


今後は、「面接官をやってみて感じた通したい人、通したくない人」、「戦略ファームの紙の書き方」「実際に使ったプロジェクト資料(サニタイズ済み)」「プロジェクト実態レポート(マウントとりたい人たち、めちゃくちゃ優秀な人たちに通じる共通点)」などを発信していきたいと思います。

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