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就労センターあっぷ施設長 城崎高治さんインタビュー【第3回・最終回】地域にとっての社会資源でありたい

第2回 障がい者支援施設が地域とつくる「お互い様の関係」

城崎さん
僕が思うのは、障がいのある人達を「障がい者」にしてしまうのか、そうじゃなく、対等な立場にできるかはスタッフにかかっているなぁと。できるところは仲間(利用者さん)にしっかり任せて、最終的なところは僕らが確認しておけば「障がいのある人達じゃけどうかなと思ってたけど、ちゃんとやってくれるけ、助かるわ」っていう風にどんどんイメージが変わっていくはずなので。

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そうですね。対等なイメージはまだ根付いてはないですよね。

城崎さん
まだね。弱くて、守らなきゃいけないとか、ちょっと偏見があったりすることもあるけど。

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はい。

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城崎さん
でも、ひとはの本部がある向原では、とんどや盆踊りにでかけて行ったりとか、盆踊りの練習をひとはの敷地でやってもらったりとか、そういうことをずーっと繰り返していくことで、障がいの重い人達が地域の行事にでかけて行っても「おぉ、よお来たのお」って迎え入れてもらったりとか。うまいこと言葉は出なくても「おぉ、挨拶はいいけえ、わかっとるけえ」っていう関係性ができていったりとか。向原ではそうやってやってきた。

じゃあ甲田にある、我々あっぷの役割は?甲田町内で障がいのある人達の文化を知ってもらう、対等な立場を伝えていくっていうところを大切に考えて、商品であったり、地域行事への参加であったりいろんなことをやっていく。

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どんどん地域に出られるんですね。

城崎さん
僕ら自身が地域の人と知り合いになって、最初は「あっぷさん」って言われてたけど、だいぶ名前を覚えてもらって今では「城崎さん」って呼んでくれるようになってきました。それは、僕だけじゃなくて、他の職員も。名前で呼び合える関係で、地域とつながっていけるようになれば、「よくわからないところ」から「知った人がいる場所」になるって全然違ってくると思うので。

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確かに。

城崎さん
とにかく、いかに開放的にして地域の人に入ってもらうかっていうところなんかなぁって。だから、地域にとっての社会資源でありたい。この辺りは、小原地域っていうんですけど「小原地域にはあっぷがあるで」っていうくらいになったら「あっぷに言ったら何かしてくれるで」ってなってくるはずなので。まぁ全部が全部はできんですけどね。(笑)

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うんうん。

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城崎さん
「施設があるけど、何をしよるかわかりゃせんで」って言われたらつらいじゃないですか。

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それはつらいですね。

城崎さん
とにかくウェルカムです。いつでも来てください。

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そういえば、塀とか柵がないですよね。津久井やまゆり園での事件があってから、柵を設ける施設が増えたって聞いたことがあります。

城崎さん
ぜったいしない。むしろオープンで「何かあったんか?」って助けに来てくれる方がいい。その代わり、あれですよ?仲間が勝手に人の家に入ってとか結構ありましたから、めっちゃ謝りに行きましたよ。(笑)ぶっち怒られましたしね。「どうなってんやー」って。ほんま冷や汗もんです。

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そっか。(笑)そういうことがあっての今ですよね。

城崎さん
でも、地域の人らも本気で怒ってくれてじゃけ、その方がありがたい。

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そうですよね。

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城崎さん
利用者さんにもどこに行ってもいいよって。例えば、昼休憩にコンビニ行くときも「行ってきていいですか?」の許可制じゃなくて、届け出制。どこに行ったかわからなくなったら怖いから、せめて言って行ってねって。だから、昼休憩中だったら「ちょっと散歩してくるね」「いってらっしゃい」って。

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地域の方にとっても利用者さんにとっても開かれている場所なんですね。

城崎さん
ひとはは、みんなそういう考え方で動いているはずです。とにかく、とにかく知ってもらう。3番のりばも、最終的には、自由に来てもらって、ハーブ園見てもらったりとか、商品も買えるようになれたらいいよねって話はしていて。

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すごく楽しそうです。

城崎さん
とにかく楽しくやろう。利用者さんにとってもスタッフにとってもやりがいがあるように。じゃないと、しんどくなってしまったら面白くないじゃないですか。

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本当にそうだと思います。

城崎さん
僕自身そうやって育ててもらった分、みんなにもそうやっていきたい。

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じゃあ、これからも、声が上がったら変わっていくわけですね。

城崎さん
そうですね。
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地域とのつながりをどんどん活用されて、これから就労センターあっぷがどんな風に変わっていくか、楽しみにしています。

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(おわり)


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