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なっっっがい話。


美しい文章ってなんなんですかね。

たまたま目についたツイート(全く知らない人の)で、ある人が川端康成『雪国』の冒頭である「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」を引用し、「あまりにも美しすぎやしませんか」とこちら側に投げかけていました。

いやいや、その美しさを説明してくれよ。
川端康成を盾に攻撃してくんな。
どうせ言葉にできないような美しさってゆうんでしょ。言葉にできないは最上級の褒め言葉ですよ。簡単に使わないでくださいよ。まぁ私は言葉にできないを乱用しますけどね。語彙力の無さを露呈してるんですよ。敗北ですよ。

まぁそれにしても「美しすぎやしませんか」ってねぇ。これに美しさを感じる人は何人くらいいるんですかね。有名な文章だから美しいって言ってる感がしません?こんな有名な人が書いた名作といわれている本の、それまた有名な一文を、僕は理解しましたけどあなた達はどうですか?理解できますか?的な嫌な臭いがます。もしくは自分センスあるんですよ。的な?
ひねくれすぎでしょうか。多分ひねくれすぎです。というか完全にひねくれすぎです。素直にそうですよねー。美しいですよねー。って答えるべきです。
多分この人は素直に美しいと思って、素直にツイートしただけなんですけどね。

では、ここまでつらつらと書いてきましたけど、じゃあお前はどうなんだと。お前は川端康成『雪国』の冒頭部分を美しいと思うのかと。

私はねー。文句なしに美しいと思うんですよこれが。
別にこの文章を美しいと思うか、トンネルでたら雪降っててんなーと思うかで優劣なんか全くないですよ。そんなことはどうでもいいんですよ。美しいと思ったから優れてるとか1ミリもないんですよ。

では、それを踏まえた上で、じゃあどこが美しいと感じたかを言葉にしていこうと思います。

はぁ。ここからが本題なんですよね。今日は長いですよ。なんせ暇なんでね。でも疲れました。
まぁみなさんも暇なときに読んでください。

じゃあそもそも美しい文章ってなんなんだって考えたときに、私が思うのは、その一文を読んだだけで頭の中にその小説の世界が広がるかどうか。これです。または、その小説の世界に自分が入り込んだと体感するかどうか、です。

いやー、上手く言葉にできた気がします。できてるでしょ?わかり易くないですか?
今回は言葉にできないに頼りませんでした。偉いです。

ですが、さりとて、でも、だが、しかし。
ここで疑問が生じます。

いやいやいやいや、それを言うなら本を読むときは頭の中でその本の世界を想像しながら読んでるじゃないか!

確かにそうなんですよね。
そうなると本に書かれている文章全てが美しいってことになりますもんね。
でも、これが違うんですよ。あくまで私の感覚ですが。
美しい文章を読んだ時は、確実に小説の世界に入った感覚があるんですよ。それは想像の域を超えてるんです。
一方で、想像しながら読む文章は、読みやすい文章なんですよね。この読みやすい文章を書くのも非常に難しいんですけど。

はぁ。疲れてきました。どうしましょう。やめてしまおうかな。眠たいし。諦めそうです。なんでだと思います?

それはここまで書いた「美しさ」の説明は2つある要素のうちの1つなんですよ。つまり、まだもう1つあるんです。はぁ。大変です。ストレス解消で文字を書いてるはずなのに、ストレスが溜まってきてる気がします。でもめげません。諦めません。頑張ります。

じゃあもう1つはなんなんだ。
それは、比喩表現の上手さだと思っています。もしくは表現の上手さです。
例えば目の前に綺麗な海があって、それを文字で表現したいときに、「綺麗な海が目の前にあります。」とするか「太陽の光にその表面を輝かせ、目を凝らすと海底がハッキリと見えるほど澄んだ海が目の前にあります。」とするかです。なんとなく後者の文章の方が、頭で想像しやすくないですか?
まぁこの文章で美しさを感じることは難しいかもしれません。それは私の力不足です。でも言いたいことはわかって頂けたはずです。そう願いたい。
そして、この表現力を高めに高めると、読んだ人を小説の世界に引きずり込む文章を書くことができるのです。

まさしくそれが「美しい」文章です。

そしてこの「美しさ」を『雪国』の冒頭部分に感じます。ビッシビシ感じます。

「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」

この文章を読んだ瞬間に私は小説の世界に引きずり込まれます。
私は暗いトンネルを汽車に揺られながら進んでいるし、トンネルを抜けた瞬間にあたり一面が白に覆われています。自分の吐く息は白いし、体は小刻みに震えています。

もはやワープです。瞬間移動です。

こんなにも短い文章で小説の世界に引きずり込むなんてとんでもないことです。凄すぎます。美しいです。いつなんどきでも、『雪国』のページをめくると私は違う世界に行くことができます。川端康成ハンパないです。
まぁでも『雪国』自体は私には合わなかったのか、途中で諦めて読んでいません。純文学がどうも苦手です。梶井基次郎の『檸檬』を読んだ時も、本屋に檸檬置いてくるだけの話やんってなりましたし。


はい!
だいたいこれで終わりです。長かったですよね。
ここまで読んでくれる人はいるんですかね。

では最後に、私が『雪国』の冒頭に負けていないのではないかと思う小説を紹介します。
それは、西加奈子の『サラバ!』です。この冒頭もすごいです。私的にはですけど。一瞬でその世界に入り込めます。よかったら読んでください。長いですけど。

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