見出し画像

学生時代の思い出【男子校編1 18禁】

タイトルだけで男臭が溢れてる。
香しき青春の匂い。

私は、1000人以上の生徒がいたマンモス男子高校卒だ。
汗と誰に向けてるのか分からないが全身から溢れ出る、
全く行き場所を無くして澱みまくった、
♂ホルモン臭にまみれて3年間を過ごした。

男子校で最初になくすのは童貞ではない。羞恥心だ。
心を解放すれば、そこに自由が与えられるのだ。

我が母校は、アルカトラズ並みに脱走を許さない地形にある。
一方は数百平方メートルにも及ぶ沼。地図を見るだけで絶対に脱走ルートではないと悟る。その広大な沼を渡ろうとした豪傑は一人もいない。
若しくはいたのかも知れないが、ただの行方不明になったのかもしれん。

残る三方は、2階建ての高さの監視塔があれば十分に見渡せる程に開けた一面の田んぼ。
そこに要塞の如く4階建ての校舎があるのだから、脱走者はすぐ見つかる。
手の及ばない所まで走って逃げるのは不可能だ。
校舎から普段見える動く物と言えば、時々横切るカラスかスズメくらいな物だ。

とある夏の日

夏休み期間中であっても、基本的に部活や講習があり校内は解放されている。
そもそも周りに何もないのだし、見渡せる範囲にいるのは基本的に男だけ。それでも夏になると現れるのが、露出狂だ。
一般的には女性を狙い、粗末な物を見せつけるタイプだと思うが、
男子校内にいるのはちょっとタイプが違う。
部活をしていると、どうしても半袖焼け、短パン焼けの様に
中途半端な日焼けになる。
それを覆すために編み出されたのが、

全裸日光浴


である。
ほぼアルカトラズなので、治外法権に近い環境であり、
一般的な法律とか、マナーなど陸の孤島の男子校には存在しない。

学校に来て、外に机を並べてそこに寝るだけ。
中途半端にマッチョだから、余計に光景としては腹が立つ。

まあ、背中を焼いている時は見えるのはケツだけなので、まだ良い。
問題は仰向けだ。
彼らは「全身」をくまなく焼く事に力を入れているので、
何も隠していない。
ただ、広大なグランドに野郎が一人、全裸で転がっている。
コートを広げて「ほら」なんてもんじゃない。
最初っからモロ出しだ。

ここからは、18禁の話になる。
最後まで読んで気分が悪くなっても、当方は責任を持てない。
気分の悪くなりそうな方は
これ以上のスクロールは止めておいた方がいい。



とある時に、そいつにそれでも焼けてない所があるだろう?
と誰かが言った。
タマタマの裏側と穴周辺である。
焼かなくても黒い気もするが、何かプライドをくすぐったのか、
彼はどうにかしてその辺りも焼こうと努力し始めた。

行きついた先が、赤ん坊がママにお尻拭きをされている体制だ。
椅子を組み合わせ、絶対に日の目を見る気の無かった箇所が
太陽に堂々と向けられていた。

我々に取って幸いだったのは、校舎が南向きだったのでその箇所がこちらに向けられていない事だった。

だが、想像してみて欲しい。
校舎の前に机と椅子を並べて腰を持ち上げ、広大なグランドに向けて
ケツの穴を向けて開脚している男がいる所を。

変態に失礼な位、変態の所業だ。

そして、スクープを欲しがった写真部は、その一部始終を盗撮する事に成功し、その年の文化祭では、モザイク入りで発表される事となった。
そこはギリギリ社会性が勝ったらしい。

男が男のヌードを盗撮するほど情けないものなかろうに。

なお、学園祭のパンフレットにも載った。

そして、数日間に渡り人類としては、
日光が当たるとは思って作っていない箇所に、
彼は過度な夏の太陽を与えた結果、排便ができなくなったらしい。

火傷となり、皮が剥けてしまったのだ。

愚行とすら呼べぬアホっぷりに、全校が涙を流しながら笑った。
皮を剥くのはそこではなかろう、と。

そして、悲劇はまだ続いた。
余りの激痛に、綿のトランクスを始めパンツが穿けなくなったらしい。
柔らかくて、ソフトな履き心地を求めた結果、
母の新品のパンツをもらったとか…
母はシルクを愛用だったのか?

取り敢えず、全てを日焼けさせると言う第一目標は達成されたようだ。
大きな代償を払った結果の大勝利だ。
もしかすると、有史以来の出来事として世界史の歴史に載るかもしれん。



そして、これだけいじられても普通に登校してくるメンタルよ。

普段から全校生徒が仲が良いので、
これくらいではイジメにもならなかった。
令和の基準では全部がアウトだが、昭和ど真ん中くらいの我らには
ただの笑い話である。

今も青い空を見上げると、真っ黒なケツが浮かんでくる事がある。
そこだけ抹消したい記憶である。




この記事が参加している募集

夏の思い出

自己肯定が爆上がりします! いつの日か独立できたらいいな…