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【考察】はがねオーケストラ史・その2「貴族について」

前回が「その1」って書いてあるけど、PVから紐解ける情報はあれで全てでしょ!って自分でツッコミを入れました。

前回記事
【考察】第1弾PVから見るはがねオーケストラ史・その1

でもよく考えたら、あの中にあった情報の追記みたいになっていくので特におかしなことじゃない・・・?とりあえず分からなくならないようにその2にしておきます。PVはもう関係なくなっちゃってるけども。

貴族とは

はがねオーケストラにおける「貴族」とは本来血統に由来したものではなく、単純に「人類らしい文化」を後世に残すことが出来る人物たちを安全で十分な衣食住を提供することで保護しようという特権扱いをされた人々のことを指す。
初めから貴族と呼ばれていたわけではない。

後に、彼らは自分たちの優遇された立場を守り、その親族家族に引き継がせる為に選評から平等性を除外し、貴族が新たな貴族を決めるといった癒着構造を作り出してしまったことで、ある意味「血統という意味で」というのもあながち間違いではなくなっている。

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貴族の権力拡大

人類は後世に残す文化を体現できる者を特別扱いし、戦役の免除と安全で不安のない生活を提供した。
長らく貧困に喘ぎ、危険と隣り合わせで生きる人々を尻目に、安全で満たされた生活を送ったことで、彼らの心は「優越感」と「選民思想」に塗りつぶされていき、いつしか身内、パートナー、補佐、第三者、競合者、敵対者・・・と、その者たちから離れれば離れるほど、人類としての価値は低く見積もられる社会を構築するようになった。

そうなった要因としては「文化が分かる者にしか、文化として妥当な才能を持つ者かどうかを見極めることは出来ない」という趣旨の元、彼らが行った恣意的な次期貴族の選別が大きい。
才能や努力よりも彼らに認められること、近しい立場にいることの方が重要になってしまったということ。

「彼らに認められれば自分たちも貴族、またはそれに近しい待遇を受けられるようになる」
そう考える者が増えると、貴族たちには本来なかった権力が舞い込むことになったわけである。

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貴族(文化を担う者たち)は代を重ねるにつれ、着々と地盤作り(自分の子や親族が「優れた文化を体現できる者」であると認定する)を行っていった。これを防ごうにも権力中枢は既に彼らの身近にあり、恩恵を受けている者たちで固められているのだから自浄できるはずもない。

いつしか彼らは周囲と自分たちを「別格の何か」として認識させる為、自らを「貴族」を名乗るようになっていった。

貴族以外の人々

その一方で、貴族から遠い者、気に入らない者たちは文化と程遠い人間、つまり価値の低い人間として扱われるようになっていく。
彼らは「人類の宝(貴族)を守る為のの消耗品」としてオーマや自然災害に立ち向かうことを強要されていった。

また、彼ら底辺人類たちはチェスに例えられ、順にランクを下げて分割、呼称されていき、中でも最もランクの低い者たち(基本的には貴族が気に入らない等、過去に減点された者たちの家系)をポーン(消耗品)と呼び、兵士として、より合理的な判断を優先するよう教育、意識づけを徹底した。
貴族が代を重ねることで、より選民思想を強めていったのに対し、こちらも代を重ねる中でまるで機械のように目的遂行の為に合理的判断のみを下し、人類の宝である貴族を身命を賭してでも守り、オーマを排除するという感情の希薄な兵士となっていた。

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ポーンから貴族になる可能性は0だが、多少なりとも安全で待遇の良い立場(昇進先)として「教官」という職が存在する。

人類の生活圏「シェルター」

人々が住める場所は世界に点在した「シェルター」と呼ばれる半地下に建造されたドーム状の建造物内のみ。
出入口のある地表付近、つまり危険度の高いところほど価値の低い人類たちの居住区となっており、貴族たちは最も安全な最奥でほとんどの資源を消費して悠々自適に過ごしている。
地表付近の者たちは貧困にあえぎ、その日に食う物すら困窮している。
彼らが生きていくには兵士となる以外に方法がないのが現状。

そうした現実の中で、ポーン階級の人々は待遇の良くなる「教官」を目指して手柄をあげながら生き続けることを強く望んでいたが、いつしかその想いすらも希薄になり、生存率と任務達成率を引き上げる為に心を捨てて全て合理的に判断する人間へと変化していったものと考えられる。

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世界の崩壊、人類の破滅、浮き彫りになっていく人類の格差付け・・・と社会の歪みが拡大していった先の近未来、それが冒頭で主人公「A-00819」ことクリス(名前変更可)が生きていた世界。
その為、クリスやDEN-TANは自分たちの境遇や任務、貴族に対する認識などに疑問を持つ様子はない。積み重ねてきた年月の中で、これが当たり前の価値観になっていることが分かる。

というわけで、次回へ続く。

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