読書備忘録

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【読書備忘録】幻獣辞典からマリーナの三十番目の恋まで

 今回で【読書備忘録】は30回目を迎えました。数ある記事の中から、この小さな書評集を見付けて読んでくださっている方々には感謝の言葉もありません。今後も出会ってきた良書を紹介するとともに、読書の楽しさを伝えていけるよう精進します。  推薦図書の決まりは特にありません。強いていえばバラ…

【読書備忘録】オーバーストーリーから丁庄の夢まで

 本文とは関係ないのですが、最近ものがよく壊れます。それも長期間現役生活を続けてきた長寿の家具類が次々と。夏の終り頃には10歳を超えるエアコンが壊れ、秋口には長兄のおさがりで30歳を超える学習机(作業用)が壊れ、先日40歳を超える電灯の照明カバーが壊れました。寝ていたら突然照明カバーが…

【読書備忘録】チボの狂宴から世界の果ての庭まで

 八月上旬にはある程度できていたのですが、体調不良などで下旬まで公開が遅れてしまいました。お待ちくださっていた方々、大変申しわけありません。空模様を見ると夏の盛りはすぎたのかなと思うこの頃。それでも酷暑は続いていますので、皆さまくれぐれもお身体にはお気を付けてください。  この夏…

【読書備忘録】帝都最後の恋から草迷宮まで

 人には独自の読書法があると思います。手あたり次第に読む人も、ある程度順番を決めて読む人もいることでしょう。私は恐らく後者に分類されるでしょう。具体的な数は決めませんが、いつも初読・再読併せて一〇冊前後候補を用意します。そのため【読書備忘録】における選書に(意図しているわけではな…

【読書備忘録】ラテンアメリカ民話集からグアテマラ伝説集まで

 今回はラテンアメリカの文学作品を多数とりあげています。狙ったわけではないのですが、結果的に自分の趣味をさらけだすかたちになりました。勿論愛好家の方と共有するだけではなく、不慣れな方にも興味を持っていただける記事を心がけて書いています。是非ご一読を。  今、苦労の絶えない時代を迎…

【読書備忘録】わたしの物語から無音の海まで

 色々小説を読んでいると、体力を奪う夢魔のような作品に出会うことがあります。読書中は精神を掻き乱されて、中断していても心は休まりません。そして、読書を再開するさいには自分を奮い起こしてきたるべき動揺に備えます。当然読了後にはドッと疲労が出ることになります。  こう話すと否定的な印…

【読書備忘録】魔法の夜から神秘列車まで

 ここ数日諸事情で自室のエアコンを使えず、師走の冷気に泣かされていた百句鳥です。末端が冷える方なので、読書する手の感覚が失せて何度も本を落としそうになりました。蝉時雨の季節には指先の汗を拭き拭き頁をめくっていましたが、この短期間で世界は常冬であるという説を唱えたくなるのですから単…

【読書備忘録】蒼老たる浮雲からキルプの軍団まで

 いつの間にか【読書備忘録】を始めて2年半近く経過していました。2017年6月12日が最初ですね。当初はTwitterの感想文を微修正した程度の簡素な内容でした。文章量を増やしたりレイアウトを変更したり、今も試行錯誤を続けています。とはいえ本の魅力を損ねる書き方をしていないかと公開するたび不安…

【読書備忘録】崩れゆく絆からロリア侯爵夫人の失踪まで

 人にさまざまな性質があるように、本にもさまざまな性質があります。読書していると、おなじ「面白い」という感想でも、そこに至る経緯は多種多様であることが認められます。初読で面白さを感受できる本もありますし、再読して面白さを発見できる本もあります。その現象はあくまでも本と人の個性を表…

【読書備忘録】万象から無分別まで

 本年は寒暖差の激しさが目立ちますが、梅雨入り後は如何にも梅雨らしい天候が続いているので、神奈川県に関してはまずまず安定した気象状況といえるでしょう。もっとも半日噛み続けたガムのような粘着質のじっとりした陽気はお世辞にも快適とはいえず、脳味噌がスポンジ状になり、全身の筋肉が浮きあ…