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狐井の伝承
古い集落には必ず寺院や神社がある。そして、
古くからの伝承が伝わっていることも、”まま”ある。
と、私は思っています。
まちの寺院は、大抵は塀に囲まれ、門が閉じられていることが多く、
また、お住職さん家族の実際の住居でもあったりするので、
歩いていて、ぶらりと立ち寄ることはほとんど出来ません。
一方、神社は比較的オープンで、誰でも何時でもお詣りができます。
特に、小さな神社だと、神主や管理人も現地にはいません。
でも、お社は何百年もの間、変わらずにそこに御座します。
鳥居があって、獅子・狛犬達がいて、神殿がある。ひとつの世界。
小さくても、境内に入ると気持ちが引き締まります。
![](https://assets.st-note.com/img/1697880037986-6OhqQPATxW.jpg?width=1200)
その神社は、今年の春に、奈良県の二上山の麓の街を歩いている時に
見つけました。
その日に予定していた散歩コースの最終ポイントにしていた古墳から、
最寄り駅に向かう途中の四ッ辻に神社がありました。
名前は杵築(きつき)神社といいます。
【参考】 「きつき」と「きづき」
”杵築”神社という名称はあちこちにあるので、ネットで調べました。
出雲大社も江戸時代までは『杵築(きづき)大社』と呼ばれていました。
大社を築いたから、その土地を杵築としたのです。そして、
全国各地に神社が勧請されて、分布が広まりました。
また、大分県の国東半島の根元には城下町の杵築市があります。
こちらは「きつきし」で、元々は『木付』と表していたらしいです。
漢字は同じですが、全く別の由来になりますね。
今回の杵築神社のあるあたりの集落は『狐井(きつい)』といいます。
地名も「杵築」に似た名前ですが、この地名には伝承があって、
昔々、村人が水に困っていた時、神社に住んでいた狐が井戸を掘り当て、
村人を助けたという昔話です。(詳しくは、下記の奈良県のHPを)
「母狐の前足は泥にまみれ ・・・ 」とは、リアルに掘ったということですね。
今回、ご紹介したいのは、その一場面を木版に彫った作品です。
神社の境内に掲げてあり、隣には、古井戸が今も残っています。
平成27年に、個人が制作されたものです。
絵馬の奉納は一般的ですが、このような作品が納められているのも
また面白いですね。
![](https://assets.st-note.com/img/1692516793061-xDYc92WiV9.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1692516807182-PG4c7RZA4q.jpg?width=1200)
因みに、狐井の地域内には、近畿日本鉄道の五位堂検修車庫があり、
毎年、春と秋に開かれる『鉄道祭り』で公開されています。
ご興味のある方は、こちらもチェックしてください。
春のイベントは、PDFファイルしか見つけられませんでした。https://www.kintetsu.co.jp/all_news/news_info/tetudoumatsurisupuringu.pdf
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