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抗え。この世界の運命に。

絶望、絶望、そしてその先にあるのはまた絶望。

毎週ハラハラしながら見守り続けたアニメ『約束のネバーランド』の第1期がついに最終回を迎えた。
あまりにも怖くて夜に観ることが出来ず、週末の朝に観て、エンディング中ずっと「あああ」と頭を抱えていた。ひたすら続くスリルある展開。主人公たちと共にちっとも見えない希望を追いかけ続けてきた。

しかし最終回を観終えてようやく絶望ばかりなんかじゃ決して無かったんだなと気が付くことが出来た。観ている最中は大丈夫だったのに、観終えてからひとつひとつの出来事を思い出して、ぽろりぽろりと涙を流した。

「怖かった」だけじゃないし「面白かった」だけでもない。
最後までちゃんと見届けられたこと、本当に良かった。


(本編の内容に触れますのでネタバレご注意です!)


そもそも知ったきっかけは友人の家の本棚だった。

「あ、これよく本屋さんで見かける」
「面白いよ、貸そうか?」
「ん〜、絵は好きだなあ。読んでみようかな」

その場で第一話を読んで「ギャアー!」と叫んだ。
ドラマでも漫画でもよくあるけれど第一話ってとてもショッキングな出来事が描かれること多いじゃないですか。医療ものドラマなんかだと第一話の手術シーンがいちばんグロテスクだったりして。
まさに、それ。あまりにもショックだった。

「え、無理。怖い。読めない」
「ああ、最初はね。でも面白いんだよ」

とは言われたものの、怖すぎて結局漫画は借りなかった。


それなのに、だ。

アニメ化が決定してやっぱり絵が好みで、どうしても観たくなってしまった。ひとりで観る勇気はやはり無かったので、恋人に「とりあえず第一話だけで良いから試しに一緒に観て欲しい」とお願いした。

そして案の定第一話は「ギャアー!」と叫んでしまった。

しかしその後を観ないと報われない。自分自身ももやもやと「その後どうなるんだろう」と良くない妄想ばかりが捗ってしまう。それに恋人が「面白い」と言ってくれた。その結果、怖がりながらも「あああ」と頭を抱えながらも全12話を観終えることが出来た。


GF(グレイス=フィールド)ハウスは親がいない子供たちが住むところ。母親(ママ)と慕う彼女は親では無い。共に暮らす彼らは兄弟では無い。血の繋がりが無くても、私たちは家族ーーそう思っていたーー

GFハウスには12歳までの子供たちが38名と、ママ(イザベラ)が生活をしている。11歳のエマ・ノーマン・レイの3人は毎朝のテストで満点を取る「フルスコア組」でハウスの最年長者。
ある夜、里親の元に行くコニーの忘れ物に気がついたエマとノーマンは、立ち入り禁止の門へと走る。門から出て行くコニーに、大切なぬいぐるみを渡すために。しかし、そこでふたりが見たものは…。


私たちは大人になれない。
そんな運命認めない。

このキャッチコピーから推測できるひともいるかもしれません。そう、ハウスの子供たちは食用児として育てられていたのです。食べるのは、門の外で待つ鬼。
優しくて大好きだったママは、子供を優秀に育て、里親に出すと言って「出荷」していた張本人だった。

エマ、ノーマンのふたりは子供たち全員でハウスからの脱出を、ママからの脱出を試みる。


『進撃の巨人』も内容から観られないくらいのビビりなのに。まんまと手を出してしまいました。第一期は《ハウス脱出編》として描かれているのですが、とにかくひたすら絶望の連続。

どうやってハウスから脱出するのか、子供たち(まだまだ小さい子供も多い)を全員連れて逃げられるのか、そもそも鬼とは何なのか、ハウスの外の世界は一体どうなっているのか。

分からないことがあまりにも多い。ひとつひとつ解決の糸口を探っては、その考えを先に断たれていく。

ママは、脱出しようとしていることに気が付いている?


意外にもジャンプ作品。
主人公・エマが女の子というところもジャンプ作品としては珍しい気がする。いつでも優しくて真っ直ぐで素直でとっても可愛い主人公。

いつでも冷静なレイ。物事をしっかり現実的に考えて行動できる。口下手だけどエマとノーマンのことを本当に大事に想っていることが端々から伝わってくるところが好き。

わたしがいちばん好きになったキャラクター、ノーマン。知性と思いやりを兼ね備えている。自分よりも周りのことを大切にしがち。にこっと笑っているシーンが多いものの、たまに見せる二面性のある表情のギャップにやられる。


エマはもちろんのこと、レイとノーマンの声優さんが女性だった点も良かったなあと思う。11歳だもの。特にノーマンの絞り出すような声のシーンは胸がぎゅっと締め付けられた。あとPVの序盤にもあるエマの泣き声も声優さんの演技力の高さに震えた。


だけどもうこれ以上のネタバレは書けないです。気になる方は是非観てください。今ならAmazonプライムでも観られるからね。


オープニングはUVERworldの『Touch off』。
アニメの主題歌を担当していることが多い印象あるけど、映像と歌がバチっとハマっていてものすごく格好良い。いつもわくわくして観られるのはオープニングだけだったな。笑
先ほど書いたノーマンの二面性の表情も発揮されていて最高。これだよ、これ。ノーマンほんとうに好きだなあ。


最終回まで観終えて、別の視点でもう一度観たくなってしまった。第一話だけで観るのをやめないで欲しい。きっとこの物語の本当の主人公に気が付いた時、物語の見方は変わるはず。

来年、第二期も放送予定なので今から楽しみ。
きっとまた毎週のように絶望するんだろうなあ。

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