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大麦こむぎ
2020年11月21日 08:50
いまの「わたし」は「わたし」なのか。それともさっきまで読んでいた小説の主人公なのか。現実と物語の境の浮遊感を味わうのがたまらなく好きだ。電車の中で本を開く。最初は文字を目で追っている感覚があるのに、いつの間にかわたしの意識は物語の中に溶け込んでいく。車内の喋り声も聴こえなくなって、わたしの輪郭も曖昧なものになる。目的地の駅に着いて本を閉じても、物語は醒めない。歩いているのはいつもの道な