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「創始者」 あらすじ

20xx年。 「神が人間に加護を与え、人間はその神の能力を得る」という因習がこの世界にはある。 加護を受けた者が世界人口99.9%を占める中、たった1人加護を受けられない者もいた。 歌詞 正造(かじ しょうぞう)。高校3年生の臆病で気弱な男だ。 ある日、正造は家の倉庫で亡き父の日記を見つける。その日記に記されていたモノは意味深長な事ばかりで…。 そして、日記と共に見つけた薄黒い巻物の文書を読むと今まで封印されていた妖怪や悪霊達が暴れ始めた。 正造は妖怪達と闘い、父の日記に記さ

    • 第3話 「封印の書」

      「え、なんで、皆んな…?  ぼ、僕たちがいない間皆んな死んじゃった…?」  僕の情けない声は教室の中を木霊する。 僕達の教室には誰もいなく、ただあるのは机に置いてある花が生けてある花瓶だけ。  「… 他の教室も見てみよう」  この光景にも冷静さを崩さない庇糸は隣の教室へ走った。  いない、いない、いない!!  誰もいない!!  どの学年もどのクラスも誰もいない。 おかしい。不可思議だ。  「あら?君達まだこんなとこにいるの?」  張り詰めた空気の中、廊下の

      • 第2話  「フォージャ」

        誰もいない。何も見えない...。 僕はまだ霧の中を彷徨い歩き続けていた。 その時だった。霧の中から声がしたのだ。 『おいでおいで』 『こちらへ』 聞き間違えかと、耳を叩く。しかし、声はまだ僕に話しかけている。 『行こう』 『戻ろう』 『さぁ、手を取って』 この鈴のような声に僕は酔いそうになった。力が入らず勝手に体が前に出る。 そっちに行っちゃいけない気がする...。 でも体が止まらない...! 「何しているんだ…!」 一瞬だった。庇糸が僕の前に現れ、

        • 第1話 「解放」 

          神から加護を受ける。 加護の受けたものが世界人口99.9%占める中、 加護を受けられない者もいた。 「皆んな僕のことをいじめるの。無能だって...。何で僕は神からの加護が受けられないの...?よ、弱いから...?」 まだ幼く小学1年生の頃の僕が、夏の夕暮れの公園の中で涙を流しながら隣に立っている幼馴染に訴える。 「正造は強いよ。大丈夫。これからすぐ神の加護も受けられるようになるよ。」 どこから得た根拠なのだろうか。しかしこの根拠の無い言葉でも幼馴染に言われるとどこ

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